三谷幸喜さん脚本の3人芝居『ろくでなし啄木』

出演は、藤原竜也さん・中村勘太郎さん・吹石一恵さん。

三谷作品だけに笑い処ももちろんあり。

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この舞台上の石川啄木がホントろくでなしなの。

いますよ、こういう男。

一般的に見たらかなり自分中心な事を平気な顔して言ってのけ、納得してもらえなかった場合は無理矢理にでも自分を正当化してる。

女性の方は分かっていても騙されてあげたり、理解してあげたいと努力してしまう。

2人の男と1人の女が織り成す悲しくも笑える人間の性。

舞台ならではの特徴を生かしていて、私が言うのも生意気ですが良くできた脚本だな、と感心しましたよ。

宮藤官九郎さんの脚本にもありがちな、始めにストーリーがあり、しかし裏では他の事が起こっていた、それぞれの人物の視点からするとこんなにも感じ方や起きている事の意味が違うのか、というような内容なんですね。

最後に藤原さんが力強く言った台詞がすごく印象的。


『人の本当の気持ちなんて誰にもわからない』



そうだよね。

そうなんだよね。

その人が考えている事は言動より行動に出るって言うけど…

行動から察することが当たっているとも限らない。

その行動の本当の意味は本人にしか知り得ない。




男女の間柄では特に、複雑で、真意が何処にあるのか分からない事が沢山あるよね。

例えば、もう終りにしないと辛いけど、自分からはとてもじゃないけど切り出せないから敢えて嫌われるような事をして相手から別れを告げてもらおうとしたり…





でも、そういう楽しいとは言えない経験も決して無駄にはならないと思いたい。



改めて、『人間は複雑である』と知ることができるから。


人って自分の気持ちでさえ、自分が本当は何を望んでいるのかさえ分からなくなったりするくせに、人の事はすぐ分かったように思い込んじゃうんだよね。

人の真意を考えるって難しいね。

そして、私の真意も決して理解はしてもらえない。

悲しくもあるけど、それが《生きる》という事なのでしょうかね。