同窓会に行った。みんな還暦。十年前の同窓会はまだまだ若かったけど今回はみんなちょっとやつれてきたかなあ。わからない人がたくさんいる。幾人かはまだ付き合いがあるのでそいつに聞いてみる。
「あの人誰だっけ」
気になる人がいる。中学生当時自分のことを好いてくれていた人だ。当時自分は野球部でサード。そんなにうまくなかったが、毎日練習した。その人はテニス部でグラウンドを分け合って練習していた。いつのタイミングか忘れたがラブレターをくれるようになった。正直女子と付き合うことに興味がなかったわけじゃないけど、どうしていいかわからなかった。子供でした。中三だったので野球部が終わったら塾に行っていた。面白い塾だったけど男子しかいなかった。
ラブレターと読むと、自分に興味を持った理由の一つが誕生日が同じということだった。
その当時はそんなこと同級生なんだからよくあることじゃん。あいつとあいつだって同じじゃんって。でも今になって思えばそれって結構大変なことだったのかも。でも自分は何もしなかった。何もできなかった。どうしていいかわからなかった。
「久しぶり」
彼女から話しかけてくれた。ほんとに他愛もない話を続けた。身の上は聞けなかった。本当は当時の思いを話したかった。自分も好意を持っていたこと、でも女子に慣れていなくてうまく話せなくてどうしていいかわからなかったこと。できれば今度二人でゆっくり・・・。でも何も言えなかった。何か思いを伝えておかないと人生での後悔になってしまうと思いつつ。長いようであっという間の六十年間別の道を歩んだ自分と彼女の道は交わらないんだけど、恐らく余程の偶然でもなければもう会うこともないのだけど、ものすごく気になる。だって同じ日に生まれたんだよ。