フランク・ロイド・ライトの滝の上に建てられた邸宅。Falling water落水荘。

 この画像はインターネットから採用させて頂きました。









   あなたがある町にできるだけ早く着かなくてはならなくなったとします。




  車に乗り込む時、あなたは自然と目的地についての絵を心に描き、その方向に顔を向けています。



  その地点まで長い距離があると、違った道に逸れて行ってしまうこともあるかも知れません。




 しかし、このことに気がつき、あなたは適切なコースに再び戻って来ます。




 それは、心に描いた絵があなたを導いているからです。




  あなたは、その方向に向かって進み、目的地に通じる道を見つけ出し、そこに辿り着いています。



(  こちらの方に行くのだと決めたことは、必ずそうなるということです。)







   また、到着時間が予め指定されていれば、様々な移動手段を思い浮かべて、時間に間に合うようにしますよね。





  あなたは、そこに到着するまで、確固とした目標を設定して、心に保ち続けています。




 あなたが目的や行き先を特に何の努力や緊張もなしに心に保持し、自分が道を逸れたと分かった時には、また適切な道に戻り、辿り着いています。


( 道に迷った時には、出発点に戻ることが基本だということです。)







  また、重要度に応じて、設定した目標の中に達成する期限を含めています。





  私たちが今学ぼうとしていることも同じことなのです。





   もし、何かを立派にやり遂げたいと思ったら、あなたは確固とした目標を設定して樹立すればよいのです。





 後は続けていれば自然と辿り着いています。




  確固とした目標を設定して樹立するとは、どういうことでしょうか?





  それは、口で言うほど簡単なことなのでしょうか?





  慣れて来れば簡単になります。





  あなたは、一夜のうちに百万ドルを作るという目標を設定する気はありますか?





  あなたが百万ドルを即座に作れるだけのキャパシティがあれば、あなたはそうするかも知れません。





 それは例外的な場合です。






   賢いやり方は、マラソン走者が、最初は1マイルから始め、2マイル、3マイルと増やしていって、最後に全行程を走破できるようになるのと同じようにキャパシティを大きくしていくことです。





  では、確固とした目標を設定することがなぜ必要なのでしょうか?








   それには3つの理由があります。





  第1に、「内なる心」はあなたの存在に於けるプラスの極で、「外なる心」は、マイナスの極なのです。




  この宇宙に存在するもの全てには、プラスとマイナスが在って、循環や円を完成させています。



  簡単に言うと次の通りです。




  先ず、同じ根から生じたものが極を形成しながら少しずつ枝分かれし、合流すると混ざり合って中和されるか、「力」のあるものが表に現れ、再び幾重にも枝分かれしながら一方では合流していき、最終的に同じ根に戻って来ます。





  ですから、反対の性質を持つものが別々に存在したり中和されて1つとなったりしている状態が同時に存在しています。


(  宇宙の中では、絶えず分離と統合が同時に行われているということです。)






 そのために、あらゆる活動や運動があるのです。




  後退という概念によって、前進があります。




  下降という概念によって、上昇があります。




  悪という概念によって、善があります。




  もし、暗闇が無かったら、光が在るでしょうか?




 私たちにとって、何か1つのものを認識するということは、それと比較するために反対のものがあるということです。





  さもなければ、それは私たちにとっては存在していない状態であり続けるのです。




(  対極コントラストが在って初めて望んでいるものが現れ、明らかになるということです。)







  さて、「法則」に従っているものの全てに於いては、通常、プラスの「力」がコントロールし、マイナスの「力」が仕える役をしています。




  しかし、人間に於いては、これが逆になっています。




 すなわち、「外なる心」が世界を見ており、調和、平和、恩恵、可能というような状況を報告します。




  それはなぜでしょうか?





 (  外なる心がマイナスの極であるにも関わらず、プラスの極である内なる心をコントロールしているということは、人間以外の宇宙の全てのものがプラスの極がコントロールし、マイナスの極がそれに仕える役をしているということと全く反対だということです。


  それは、ソース(源)がプラスの極であり、この世界がマイナスの極であるという事実から来ているのです。


 人間以外のものは、全てソース(源)と直接繋がっているということであり、人間は外なる心のコントロールによって初めて内なる心であるソース(源)と繋がることができるということです。)





  「外なる心」に対して、確固たる指示があると、目標に従って進んで行っているからです。




  目的によって導かれて、本当に大切なものだけを受け取ってしまうのです。




 もし、確固たる目標を設定して心の中でしっかりとイメージされていたり、描かれていれば、「外なる心」に確固として行動規範を与えることによって、瞬時に正道に引き戻します。




  すなわち、あなたは、特別な努力をしなくても、「内なる心」の前向きな「力」が自動的に発揮されるようになるのです。





 そして、自動的にプラスの状況や人々を確実にあなたのもとに引き寄せます。





  まるで、鉄の小玉が磁石に引き付けられるようなものです。





  これこそが、なぜ確固たる目標が必要なのかという第1の理由なのです。




( それは、行きたいところに行くためには、其処に行くのだということを決めることが、自動的に其処に引き付けられるのと同じだということです。)







   第2に、私たちを取り巻く大気の中には、何千万、何億という思想がいつも飛び交っています。




  同時に放送を送り出しているこの国の何百というラジオ局を考えれば、空中に存在する思考について、少しは理解できるでしょう。




 
 人間一人ひとりもまた放送局であり、誰もが受信機でもあります。




  あなたが質問を言葉に発する前に私が即座にそれに答えることができるのは、このためなのです。





  実は、あなたが口に出す前に、あなたの考えを私は受け取っているのです。





 これは何年も訓練して発達させることができる能力です。





 この能力は私の中にも、また、あなたの中にもあります。





 この能力を意識していない人は、ただ気がついていないだけです。





  ですから、ほとんどの場合、他の人の思考から受け取った「こと」を、自分の思考だと思い込んでいるケースが非常に多くあります。





   私は、自分の能力を発達させて、明確に(自分の思考と他人の思考を)区別しながら利用しています。





  これについては、あまり気にしない方がよいでしょう。





 いずれ、誰もが利用しているようになっているかも知れません。





 また、あなたのために1つ付け加えておくことがあるとするならば、それは、世の中をよくしようとせずに、この能力だけを発達させたいと思わない方が良いということです。



( 世の中をよくしようとする気持ちが必要だということです。何故なら、そのような気持ちが無ければネガティブな存在の虜にされるかも知れないからです。)






  確固とした目標を持つ人は、あらゆるものにダイアルを合わせることなく、何かを手に入れています。





  そういう人たちは、実に幸運な人たちです。





  何百万という対立する考え方に惑わされずに、人生を調和と幸福で満たしているからです。





 確固とした目標を持つ人は、ある1つのことだけに慎重にダイアルを合わせています。




  その活動は、自動的にその人をその方向へ向けさせて、他のものは一掃させています。




  もし、お金が目標であれば、お金を得ます。





  地位を希望する人は、地位を得ます。





 このような人が同調したものを抑制させることができるものはないため、こうした人が狙い定めた目標は必ず達成されていきます。




   この理由も後で分かるようになるでしょう。








    第3に、何かに心を向ける時、あなたは自分の生命力の一部をそのものに移転します。





  対象が大きいものか、小さなものか、物質か、物質でないか-----鉛筆、帽子、自動車、家、富、教育、職業、旅-----は関係ありません。







  生命力の移転によって、それをあなたの方に引き寄せることができるのです。






  そして、そのことを心の中で念じ続けている間はずっと、あなた。その目標に栄養を送り続けているのです。




  あなたの望みがどれほど真剣であるかによって、その生命力が発せられる強さが決まって来ます。




  ですから、その「力」の向ける先を1つに見極めて、「力」を集中させて、特定の目標に物凄く強い影響を与えることで、反応は一層迅速になり、何処かで何かが起こるようになるというわけです。




(  例えば、カメラが欲しいとすると、それが今此処に在るかのようにそのカメラの調和の取れた形を見、美しいレンズの色を見、金属と革の匂いを嗅ぎ、カメラのシャッターの音を聴き、実際に触れているかのように手触りを感じることです。


 これは、カメラだけではなく、あらゆるものに共通しているのです。


 ただし、あくまでも崇高な目的と意図でなければ欲しいとは思わないことです。)








   あなたは、幾つもの小さな目標を乗り越えてやっと到達できるような大きな究極の目標を持っていますか?





  もし、そうであれば、大部分の目標はそのまま置いておいて、今は全力を最も身近に在る手の届く範囲のものへ向けて下さい。





  それを最初の目標にします。





  そして、その目標が実現したら、次の目標を取り上げていきます。





  こうして、次々と心に浮かべて発生させていけば良いのです。




 簡単ですよね。





  また、最大の目標さえも通過点の1つだということを知っていれば、勢いを保ったままでいられるようになって来ます。





  さて、この「法則」の全体像を説明したでしょうか?




 ある意味ではその通りです。




 しかし、また、そうではないと言えます。



  具体的に何を為すべきかを伝えるのも良いですが、どのように行えば良いのかを伝える方がもっと良いでしょう。





  成功をどのようにして手に入れるのかを学ぶだけではなく、それをどのように保ち続けるかということも学ぶことも大切です。






   ですから、私はさらに踏み込んで、更なる成功を達成するために重要な条件をお伝えします。







  それは秘密にするということです。



(  マスターは、自分の目標は秘密にするということを成功達成の条件だと言われています。

 それがなぜなのかということは、次回の第12章で説明されるでしょう。)













 最後まで読んで頂きまして、まことにありがとうございました。