
2022年参院選の「1票の格差」訴訟で、判決を前に最高裁に入る升永英俊弁護士(前列中央)ら=東京都千代田区で2023年10月18日午後1時58分、
参院選の「1票の格差」を巡っては、最高裁が10年(最大格差5・00倍)と13年(同4・77倍)の選挙を違憲状態としたことで、国会は15年に公職選挙法を改正して「鳥取・島根」「徳島・高知」をそれぞれ一つの選挙区とする合区を導入した。新たな区割りで実施された16年選挙は格差が3・08倍に縮小し、19年選挙は埼玉の定数を2増したことで3・00倍とさらに縮まった。
一方、今回の22年選挙は19年と同じ定数と区割りで実施され、格差が0・03ポイント拡大した。国会が格差是正のために、目に見える取り組みをしなかった点をどう評価するかが訴訟の焦点となっていた。
16件の高裁・高裁支部判決は、違憲1件、違憲状態8件、合憲7件と判断が拮抗(きっこう)した。違憲や違憲状態の判決は「是正の姿勢が後退した」などと国会に厳しい意見を述べる一方、合憲判決は「選挙改革の議論は続けられており、是正の姿勢が失われたとまでは言えない」などとしていた。
毎日新聞2023年10月18日閲覧