真剣で演武する庄子さん

日本刀の操法に由来する居合道で、仙台市太白区郡山の庄子都代子(とよこ)さん(76)が最高位の8段を取得した。東北の女性が合格したのは初めてといい「女性でも8段を取得できるという希望を持ってほしい」と話す。


庄子さんは昨年11月末に東京であった全日本剣道連盟の8段審査会に参加。真剣をさやから抜き、規定の型を決めてさやに収めるまでの一連の動作の正確性などを競った。

8段は合格率6・1%の難関だったが、見事な演武で突破した。 居合道を本格的に始めたのは40年ほど前。嫁ぎ先の義母が居合道と舞踊を合わせたような「剣詩舞道」の家元だった。義母の舞に触れ、剣の道に魅せられた。 

毎日、自宅の道場で練習を重ねながら実力を養ってきた。1992年に初段を取ると、とんとん拍子に昇段。「10年かかるつもり」で挑戦した8段審査会も、一発で取得できた。 

約30年前から自宅の道場や河北TBCカルチャーセンター(青葉区)で指導する。居合道の技だけでなく、始まりと終わりに礼を欠かさないことや良い姿勢を保つことの大切さも伝えている。

 邪念をなくして精神統一できるのが居合道の魅力という庄子さん。「仮想の敵を意識して全力で厳しい修行をする中で忍耐力が身に付く。これからも伝統を伝えるとともに、興味を持って挑戦する人を増やしたい」と意欲を語る。 

河北新報2023年1月4日閲覧