亡くなった廣瀬爽彩さん(遺族提供)

北海道旭川市の公園で、去年、いじめを受けていた当時中学2年の廣瀬爽彩(ひろせ・さあや)さんが凍死した問題で、市教育委員会は、いじめに対し「重大事態として対処する組織体制が整備されていなかった」などとして、当時の対応の不備を認めました。


旭川市総合教育会議

2日、開かれた市の総合教育会議で、市教委は、廣瀬さんが2019年6月に自殺未遂を起こした際、学校とともに把握していたにも関わらず、本人からの訴えなどがなかったことなどから、いじめを認知していなかったと報告しました。

さらに、いじめ防止対策推進法に基づき、市がいじめ防止の基本方針を策定したのは2019年2月でしたが、重大事態が起きた際に調査をする委員会が立ち上がったのは翌2020年の2月で、廣瀬さんのいじめ事案の発生時には「重大事態として対処する組織体制が整備されていなかった」と、対応の不備を認めました。

さらに、いじめ防止対策推進法に基づき、市がいじめ防止の基本方針を策定したのは2019年2月でしたが、重大事態が起きた際に調査をする委員会が立ち上がったのは翌2020年の2月で、廣瀬さんのいじめ事案の発生時には「重大事態として対処する組織体制が整備されていなかった」と、対応の不備を認めました。


対応の不備を認めた市教委の辻並浩樹次長 

こうした問題点を踏まえ、市教委は、今年度中にもいじめ対応の具体的なマニュアルを策定し、各学校へ周知するほか、いじめに専属的に対応する組織を市教委内に設置し、いじめ被害者に寄り添う専属担当者を各学校へ配置することなど、対策案を示しました。


いじめと自殺の因果関係を認めなかった最終報告書

一方、今年9月、廣瀬さんの事案について事実関係を調査した第三者委員会は、最終報告書で、廣瀬さんに対するいじめがあったことは認定しましたが、いじめと自殺の因果関係は認めませんでした。
最終報告書に不満を示す親族の意向を受け、市は今月中にも、子育て支援部に新たな第三者委員会を設置し、いじめの事実関係やいじめと死亡との関連性などについて再検証することを決め、弁護士や医師ら5人の委員選任を進めています。


旭川市 今津寛介市長

北海道放送(株)2022年11月2日閲覧