愛と、死を見つめて/空の庭園周囲をいつも明るくするヨンジュ(イ・ウンジュ)は、メイクアップ・アーチス ト。不正を許せない性格 のせいで、一日で 失業者となる。 彼女には人には話せない秘密が一つある。それはまさにスキールーズ(胃ガン末期)で、余命幾ばくもないということ。彼女は、いくらも 残っていない時間の中で未練のない幸福を感じたいと思っている。 幼い時に母の臨終を一人で見守らなければならなかった痛い記憶と父の死のために、心の扉を 開けずに生きているオソン(アン・ジェウク)。職業が、死んだ父が残したホスピス病 院<空の庭園>の医師であるせいで、いつも見送ることに漠然とした恐れを持っている彼は、どんな事にも手を差し出せずに見守ってしまう。 ある日、思いがけ ない場所で偶然に出会った二人は、お互いの心情をなだめてくれる相手を捜し出したように、自然にデートを始める。都心の道を恋人 たちのように歩き、トッポッキ屋に行ったり、星占いで相性を見たり。だがその日、オソンはヨンジュの人生がいくらも残っていないことを知り戸惑う。 都心の 夜景が見下ろせるベンチで、ヨンジュはオソンの肩を抱いて話 しかける。 「私を少し愛してくれますか?死ぬ瞬間まで...」 突然のヨンジュの話にうろたえるオソン。そしてそんな状況が面白いというように笑うヨン ジュ。見送らなければならない愛に対する恐れ、そして死を前にしても幸福を願う女性に対する切なさ。オソンは、選択の岐路に立ち、結局は愛するほかないヨ ンジュに向かって心を開くようになる。そんな予定された離別の中で、彼らの美しく透明な、しかし、辛い愛が始まる。