ナンバープレートよりも重要なのは車台番号のほう? SNSにクルマの写真を投稿する際、ナンバープレートを隠すように加工している人も多いかもしれません。
【画像】希望ナンバーでなぜか多い「3298」の正体!(15枚)
また、テレビ番組でも、映り込んだクルマのナンバープレートにモザイクをかけていることがあります。ナンバープレートの情報から個人を特定されてしまうことはあるのでしょうか。 ナンバープレートの番号だけで「個人情報」は分かるのか? 旅行先などで撮影した写真に、自分や他人のクルマが写り込んでいると、「ナンバープレートを隠さなくては!」と感じる人も多く、ナンバープレートは個人情報のように隠されていることがあります。
クルマのナンバープレートについて、SNSでは、「ナンバープレートで個人情報割れるらしいよ」「ナンバープレートは個人情報なので晒しません」という声が上がっている一方で、「ナンバープレートだけで住所とか特定できないよね?」「未だにナンバープレートで個人情報わかるって思ってる人いるらしい」という人も見られます。
ナンバープレートの情報から、所有者の個人情報を割り出されてしまうことはあるのでしょうか。 国土交通省の自動車局担当者は、ナンバープレートと個人情報の関係について「ナンバープレートの情報だけでは、『登録事項等証明書』の請求はできないので、詳しい個人情報を知られることはないでしょう」と説明します。
この登録事項等証明書というのは、車検証に記載された所有者の氏名や住所、使用の本拠地といった個人を特定する情報に加え、クルマの大きさや重量などが記載された重要な書類です。 では、登録事項等証明書の請求条件は、どのようになっているのでしょうか。
前出の国土交通省担当者は、「登録事項等証明書の請求には、『登録番号』と『車台番号』の両方が必要です。他人に請求されないために、両方が露呈しないよう、注意してください」といいます。 登録番号とはナンバープレートに表示されているもので、「12-34」といった4桁の番号を指しています。 ナンバープレートには、登録番号に加え、使用の本拠地にかかわる「地名」や3桁の「分類番号」、「ひらがな」の計4つの情報が表示されています。
ユーザーがクルマを購入し、陸運局や自動車検査登録事務所で登録すると、クルマ1台ごとに異なるプレートが発行されるようになっています。 一方、車台番号は、国土交通省がクルマに1台ごとに割り振る識別番号のことで、クルマが製造され、国に登録された段階で車体に刻印されます。
登録番号は、所有者や使用の本拠地が変わると新規に発行されますが、車台番号はそのクルマが廃車になるまで一貫して変わることはありません。 そして、陸運局や自動車検査登録事務所でクルマを登録し、ナンバープレートをいざ装着する際には、登録番号と車台番号を照合して、同一性を確認することになっています。
つまり、この2つの番号によって、クルマ1台1台の存在と、その所有者が国に正式に認められているということになります。 登録事項等証明書を請求する際に登録番号と車台番号が必要になるのも、2つのそうした深い関連性からであると考えられます。
かつては登録番号のみで登録事項等証明書が請求できた 登録事項等証明書は、運輸支局や自動車検査登録事務所で請求できますが、前述したように万が一他人に請求された場合は、そのクルマの所有者の個人情報が漏洩する可能性があります。
さらにその登録事項等証明書は、国土交通省の省令である自動車登録規則第22条で「何人も、国土交通大臣に対し、登録事項その他の自動車登録ファイルに記録されている事項を証明した書面の交付を請求することができる」とされているのです。
実は、かつては公正の観点から、ナンバープレートの情報のみで登録事項等証明書を請求できる制度となっていたため、自動車窃盗や恐喝といった犯罪行為のために登録事項等証明書を不正に請求する事例が多く見受けられました。 車検証に掲載されている「車台番号」 実は重要なものだった! そこで、2007年に省令が改定され、登録事項等証明書の請求については、第26条第1項において「交付請求に係る自動車登録番号及び車台番号」が必要になるようになりました。
現在では、登録事項等証明書を請求する際に、ナンバープレートに記載された「登録番号」と「車台番号」の2点をあわせて提示します。
このような登録事項等証明書の請求ルールを踏まえると、現在ではナンバープレートの情報のみで個人情報が漏洩することはありません。 しかし一方で、ナンバープレートには「地名」が記載されており、所有者のおおよその使用の本拠地が推測される可能性が考えられるため、一定の注意は必要です。
※ ※ ※ 登録番号は公道を走行る以上、多くの人の目に触れますが、車台番号は基本的に他人に教える機会はありません。 車台番号はクルマのボンネットを開けて、車体に近いフレーム部分に刻印されていることが多く、車検証にも記載されています。 もし、見ず知らずの人に聞かれたとしても、安易に教えることは避けるようにしましょう。
くるまのニース2021年11月18日閲覧

