日本の司法試験は「長距離走」で米国は「短距離走」 樋口一磨弁護士に聞いた
秋篠宮の長女・眞子さんと結婚した小室圭さんが受験した米国ニューヨーク州の司法試験が話題を集めている。小室さんは今年7月に受けた試験で、10月下旬の発表で不合格が明らかになった。ネット上では批判を含めてさまざまな反応が起きたが、法曹人はどう受け止めるのか。日本とニューヨーク州の弁護士資格を持ち「樋口国際法律事務所」の代表弁護士を務める樋口一磨弁護士に、日本の司法試験との違いや、現地の試験事情について聞いた。 

【写真】見つめ合ってほほえみを浮かべる小室圭さんと眞子さん 

小室さんは日本の弁護士資格を持っておらず、最初から海外の司法試験に挑戦した格好だ。同州の司法試験委員会のホームページによると、今回の7月試験は、9227人が受験し、5791人が合格した。全体の合格率は63%で、初めての受験者の合格率は78%。外国人の初めての受験者の合格率は46%だった。試験は来年2月にも行われる予定で、小室さんはリトライするとみられている。 

日本では、小室さんが不合格になったことに批判が起こり、小室さんの能力に疑いの目さえ向けられる状況となった。しかし、法曹界の見方は異なるようだ。日米両方で資格を持つ樋口弁護士は「相当難しい試験。試験に落ちたこと自体について責め立てるのはかわいそう」と語る。 2003年に日本で司法修習を終了して弁護士登録し、08年にニューヨーク州司法試験に合格した樋口弁護士。日米の試験の違いについて、「日本の試験は長距離走で、情報量の多さに加えて議論に深みが求められる。米国の試験は短距離走で、議論の深みは求められず、総量としての情報量は日本より少ないかもしれないが、科目数も多く、準備期間がとても短いことに照らすと準備は大変」と表現。英語のネーティブではない人が受験するには、短期間で情報を詰め込み本番をこなすための語学が最大のネックになるという。 

米国ではロースクールを卒業し、約2か月後に夏の司法試験を受験する流れが一般的で、樋口弁護士は「米国の学生はほとんどが卒業後によーいどんで試験対策を始める。情報を詰め込む感覚は一夜漬けに近いです」と説明する。

ロースクールでの勉強は、平日は深夜近くまで図書館にこもり勉強する学生も多く、インターン活動等でも忙しいという。こうした背景もあり、卒業後に本格的な試験勉強に乗り出す。約2か月間で徹底的に試験対策を詰め込んでいくという、かなりタフな試験というわけだ。 来年2月の試験、7月試験と「スタイルと難易度は同程度」の予測 米国の試験は知識に加えスピードと情報処理能力が求められるという。選択式問題は、200問を6時間かけて解くもので、A4で半分くらい記載された設問を1問2分弱で解答しなければ間に合わない。論文の問題は、文例を読んで複数の法的問題点をピックアップし、それらに対する法律規範を指摘し、本件に当てはめた結論を出す。論述はシンプルでよいものの、迷っている時間はないという。 

一方で、日本の司法試験は、選択式問題では米国とは異なって“ひねり”や“ひっかけ”が加えられているものがあり、論文では自分の意見だけでなく、別の意見も指摘して論じることが求められる傾向がある。米国に比べて複雑さが見受けられるという。樋口弁護士は「準備期間で言えば、日本では2年または3年通う法科大学院で、授業を受けながら司法試験に向けた勉強も並行して行う傾向があり、それでいて合格率は30~40%と言われています。それぐらい準備しないと受からない試験なのです」と話す。

法務省の発表によると、今年2021年の司法試験は、3424人の受験者に対し、合格者は1421人だった。 “短期決戦”とも呼べる米国の司法試験。現在は国際弁護士として活躍する樋口弁護士自身、「死に物狂いで勉強しました。私の周りもそうでした」と振り返る。英語ネーティブのトップスクールの学生であっても、「準備期間が短く、完璧な状態で試験に臨める人はいないと思います」。肌感覚について、「100%の絶対的な自信を持つ人はいないのではないか。アメリカ人を含めて、周囲は『あんな試験、二度と受けたくない』といった雰囲気でした」と語った。 来年2月の試験はどんなものなのか。

樋口弁護士は「2月試験を私自身は受けたことはないですが、試験のスタイルと難易度は同程度とみられます。合格率は一般的に低くなっていますが、それは合格レベルにある受験者の多くは7月試験で合格しており、そこで合格しなかった人が2月に受験するため、受験者全体のレベルが低くなるためと思われます。米国の試験は相対評価ではなく、(合格基準が設定されている)絶対評価であるため、基準に達すれば7月でも2月でも合格します」との見解を示した。 

司法試験はそもそも、日米だけでなく世界的に見ても最難関の試験の一つであることは確かだ。小室さんの今後について、樋口弁護士は「7月の試験で、設問の内容や雰囲気が分かり、今の自分に足りていないところを把握できたと思います。

2月まで準備できる時間的余裕があるので、仕事との両立は大変でしょうが、合格のチャンスは十分にあると思います」と話している。

ENCOUNT2021年11月11日閲覧
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日本であろうとアメリカだろうと司法試験は、めちゃくちゃ難しい試験である。そして、勉強にもめちゃくちゃお金が絡んでくる。

だから、お金のないぼくは、弁護士と同じ事案を処理できる資格として、行政書士の試験勉強をしている。

一言いえる法律試験を「なめたらいかんぜよ」

合掌