スーダンの首都ハルツームの女性たち(2020年5月5日撮影)。【翻訳編集】 AFPBB News

【AFP=時事】スーダン暫定政府が、同国で古くから慣習とされてきた女性器切除(FGM)を禁止した。この刑事法改正によって、女性器切除術を行った者には最長3年の禁錮刑と罰金が科されることになる。

【図解】世界各地で女性器切除を受けた女性の割合を示した図

 重要な分岐点となった今回の動きは、強権支配を続けてきたオマル・ハッサン・アハメド・バシル(Omar Hassan Ahmed al-Bashir)前大統領が約1年前に軍のクーデターで解任されて以来、行われてきた改革の一環だ。バシル氏の失脚につながった大規模デモでは、女性たちが主導的な役割を果たした。

 女性器切除禁止を受け、女性人権活動家のザイナブ・バドレッディン(Zeinab Badreddin)さんは、「スーダンの女性たちにとって非常に重要な一歩であり、長い道のりだったことを示している」と語った。

■鮮明なトラウマ体験、問題は術後も

 女性器切除は、廃止を求める人権運動の高まりに反して、アフリカや中東、アジアの一部地域で今も広く行われている。

 現在は4人の子どもの母親である40代のハカム・イブラヒム(Hakam Ibrahim)さんが、スーダンの大半の少女たち同様、おぞましいと非難される女性器切除の犠牲になったのは、7歳の時だった。イブラヒムさんは儀式を受けた時のトラウマ的な体験を鮮明に覚えている。

 首都ハルツームのその地区の女性たちはイブラヒムさんの儀式の前夜、染料を使ってイブラヒムさんの両手にタトゥーを施しながら、歌ったり泣いたりしていた。

 当日、イブラヒムさんは小さな部屋に連れて行かれた。そこには白い服を着た女性がいて、イブラヒムさんの外性器を切除する手術を行った。「ベッドに寝かされ、全身に耐え難い痛みが走った」「痛みは1週間ずっと続いた」

 この慣習は長年、特に地方の集落で、少女の「通過儀礼」とみなされたり、貞操を守る方法と考えられたりしてきた。国連(UN)によると、スーダンでは少女10人中9人近くが、女性器切除の犠牲になっている。

 最も乱暴な方法では陰唇からクリトリスまで切除され、膣口は縫合して閉じられる。施術は不衛生な環境下で麻酔なしで行われることが多く、嚢胞(のうほう)や感染症が生じることも少なくない。また施術を受けた女性たちは後に性交痛に悩まされたり、出産時に合併症にかかったりもする。

■人権侵害

 人権団体は長年、女性器切除は多くの身体的、心理的、性的問題を引き起こし、最悪の場合は死さえもたらす野蛮な行為だとして強く非難してきた。

 スーダンでは2015年に女性器切除反対派が禁止寸前にまで持ち込み、議会で禁止法案が審議された。だが、一部のイスラム教指導者の圧力に屈したバシル前大統領が法案を握りつぶした。

 とはいえ多くの宗教指導者らは、長年にわたり女性器切除に反対の声を上げている。人権活動家のシェリーン・アブバクル(Sherine Abu Bakr)さん(28)は「FGMを犯罪とみなすことは、信仰と矛盾しない。女性の割礼を認める(宗教的な)記述はない」と話す。

 スーダンのFGM撲滅運動「サリーマ(Salima)」のマナル・アブデル・ハリム(Manal Abdel Halim)さんは「法改正を非常に喜んでいるが、法律だけでは十分でない」と話し、「地域社会の認識を高める運動をさらに行う必要がある」と続けた。

 バドレッディンさんは、女性たちに施術を勧めて圧力を掛ける親族にまで刑罰の対象を拡大すべきだと主張している。

 イブラヒムさんも同意見で、「法改正によって、少女たちの体を生まれたままの良好な状態に保つべきだと人々が気付くことを願っている」と話した。


【翻訳編集】 AFPBB News2020年5月10日閲覧


やっと長いたたかいのなかでスーダン暫定政府が、同国で古くから慣習とされてきた女性器切除(FGM)を禁止した。この刑事法改正によって、女性器切除術を行った者には最長3年の禁錮刑と罰金が科されることになる。

この女性器切除は、国連の女性の地位の向上を果たすもの氷山の一角に過ぎない。

日本では、DV暴力防止法が女性の地位の向上を果たす為に特別法として、施行された。

なので早く女性器切除の禁止法をつくるように国連は、圧力をかけてきたのである。


詳しくはジェンダー学を学べば分かる課題である。