
保釈条件に反して中東・レバノンに渡った日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告について、レバノン外務省が声明を発表し、「全てはゴーン氏の個人的な問題だ」として、政府の関与を否定しました。
特別背任などの罪で起訴され、去年4月に保釈されていたゴーン被告はレバノンに渡ったことを声明で明らかにしていますが、詳細な所在についてはいまも分かっていません。
こうしたなか、レバノン外務省は12月31日、声明を出し、ゴーン被告について「レバノンに合法的に入国した」と発表。「どのようにして日本を出国したのかは把握していない」と述べました。
そのうえで、「全てはゴーン氏の個人的な問題だ」として、今回の事態に対してレバノン政府の関与を否定。また、「日本との良好な関係を維持したい」として、ゴーン被告の問題と両国関係について切り離して考えたい意向を示しています。
こうしたなか、フランスの新聞ルモンドは31日、カルロス・ゴーン被告がレバノンへ逃亡したことについて、妻のキャロルさんが計画したとみられると伝えています。
ゴーン被告はトルコを経由してレバノンに入ったとされていますが、記事によりますと、キャロルさんにはレバノンに複数の義理の兄弟がおり、その兄弟がトルコと「特別な関係」を持っているということです。トルコからの飛行機にはキャロルさんも同乗していたということで、兄弟らとキャロルさんが逃亡を計画していた可能性があります。
さらに、ゴーン被告は去年10月に、自分のために動いてくれるレバノン人の記者に関する情報を求めていたとしていて、事前に逃亡計画を練っていた可能性を指摘しています。
TBSニュース2020年1月1日回覧