過激な政治家は選挙が作る
いまの民主主義では100人の有権者が投票して、半分以下の得票でも 民意を得た、と言って当選してしまうのですが、この多数決は本当に民意を反映しているでしょうか。
A B C の3人の候補者がいて、投票結果は次の通りでした。
A 40 B 35 C 25
僅か25%ですので C は完敗なのですが、しかし A B に投票した人からの人気は実はそこそこあります。
A と B に投票した人は互いに相手候補だけはダメだと考えていて、当選できなかったときは C にしてほしい、と言う気持ちです。
A と B はやや過激で C は穏健です。
これを 〇 × △ で表せば、
〇 × △
A 40 55 10
B 35 45 15
C 25 0 75
A B が当選するくらいなら C の方が良い、と言う人が多い。
裁判官の国民審査のような投票をしたなら、 A は、罷免されます。
すると B か C か どちらが多くの民意を得ているとすればいいか。
そこで 〇 3点 × 1点 △ 2点 を与えると
〇 × △ 計
A 120 55 20 195
B 105 45 30 180
C 75 0 150 225
意外にも完敗したかと思った C の圧勝です。
そして不思議なことにこれは多くの国で行われる決選投票の制度を採用したとしても C は落選してしまいます。
A が極右 B が極左 C が中道だとすれば、過激な A B でなく C に委ねるべきでしょう。
しかし選挙で当選するのは A や B。
民主主義のこのジレンマによって、世界中で過激な政治家が 民意を得て いる気がするのです。