ブルジョア的グローバリズム | xyavのくしゃくしゃブログ

ブルジョア的グローバリズム

いま、グローバリズムによって労働者が流入しているのは先進国だけではありません。


途上国は経済成長率が高く、また法整備や規制、取り締まりも先進国より緩いため、非常に多くの外国人が職を求めて移動してきています。


自国より稼げる、自分でも行ける、のであれば、途上国を選択する人が増えるのも当然なのでしょう。


すると受け入れ国側の国民にとって、流入する労働力が賃金水準の上昇を抑えている事がみえてきます。


途上国が力を入れるのは、外国からの投資受け入れ、海外企業の進出です。


進出する企業が求めるのは、安価な労働力ですので、双方の利害はこの点で一致しています。


そういう市場開放政策によって経済成長していても、給料の上がり方が移民流入がない場合と比べてさほどではない状況です。


日本が高度成長したとき、このような労働移民がなかったため、総中流といわれる理想的な姿となりましたが、途上国はそのようにはなっていません。


そのような苦しみを抱える国民が支持するのは、壁を作る、という、ナショナリズムという事になるのでしょう。


昭和の日本と違い、高い成長率を実現しているのに、その果実が国民に来ない、のですから当たり前と言えます。


先進国の労働者は外国人の流入に苦しみ、途上国の国民も外国人労働者の増加に苦しみ、各国に出現する極右。


まるで、世界の労働者よ、国民よ、立ち上がれ、壁を作って権利を守れ、と言うのですからトランプ的ナショナリズムは極左的でさえありそうです。


グローバリズムによって利益を得ているのは賃金を抑えたい大企業であり、大企業に支えられる権力者たちと言う構図なのではないでしょうか。


流入する労働者にも、受け入れ側の国民にも、その果実が得られない仕組みになっている気がします。


壁を作れ、と言うその壁によって国民を守らなければ、壁をなくせ、というグローバリズムによって大企業や富裕層ばかりが豊かになり、その一方では労働者にはいつまでも恩恵がないのです。