トランプ的ナショナリズム | xyavのくしゃくしゃブログ

トランプ的ナショナリズム

各国で極右と言われるトランプ的ナショナリズムが支持を集めますが、なぜでしょうか。


多くの人がポピュリズムは危険だと知っているのに、弱者である移民への攻撃が止みません。


これは例えば救済した難民が、逆に救済してくれた国の国民から仕事を奪うからでしょう。


仕事を奪わないにしても、その存在が移民の意向とは無関係にその労働市場の給与水準の上昇を抑える効果を持つからです。


移民が流入しなければ100ドルの相場だったのに、移民は90ドルでいいのなら、95ドルに下がるのか、そうでなくても105ドル、110ドルへとは上がりにくいに違いありません。


ではもし仮に、移民には給料に格差をつけても良い、とか、一定の範囲にしか仕事に就けない、としたなら、差別だ、となってしまいます。


地方と都市とは格差をつけても良い、としたなら、差別だ、大企業と中小企業は格差をつける、と、差別、これらは意外に同じ構造のように見えます。


本当の平等とはどうすればいいか、本当の差別はどういう事か、その深いところを掘り下げなければ対立は解消できません。


英国のEU離脱も同じでしょう。


”自由な移動” によって権利が奪われている、のは、一体、どちらの権利が奪われているのか、移動する人か、それとも流入される側か。


つまり双方に被害者意識があり、双方が自己の権利を主張し、双方の権利が奪われているような感じです。


主張するにしても、なぜそう主張しなければいけない状況に追い込まれているか、の部分を説明しなければ納得は得られません。


そして人権、民主主義。


誰でも人は自己決定権を持ち、自分の事を自分で決める権利があって、それがないならば奴隷になってしまいます。


ですので双方が、奴隷的な境遇にある、という意識があるからこそ、強い反発があるのでしょう。


これは私は、勝者の論理でなく、敗者の立場に立つこと、が解決への道だと感じます。


意外な事に、トランプ的ナショナリズムは、勝者の側でなく、敗者の側から出てる気がするのです。