三つの扉 その1 | xyavのくしゃくしゃブログ

三つの扉 その1

このゲームは、以前に三つのコップと言う題名で記事に紹介したものと同じです。


テレビのクイズ番組で三つの箱を準備し、その内の一つに30万円の賞金を入れておきます。


視聴者から選ばれた挑戦者は一つを選びますが残りの二つのうちの一つを司会者がオープンし、挑戦者は自分の箱を最後に残った箱に変更できるチャンスを与えられます。


では箱を変えた方が良いのか、変えない方が良いのか、それとも変えても変えなくてもどちらでも期待値は同じなのか、というのが問題です。


多くの人は、オープンになっていない2つの箱の中身は分からないのだから、変えても変えなくても期待値は同じだと感じます。


ところが正解は、何と必ず挑戦者は箱を変更しなければなりません。


なぜでしょうか。


ポイントは、司会者は賞金の入った箱を知っている、と予想しなければならない、という事です。


もし司会者が当たりの箱を知っていなければそれをオープンしてしまうかもしれず、もし司会者が当たりの箱をオープンしてしまえば番組として可笑しな番組になってしまいます。


なぜなら、オープンした後、箱を変えますか、というのが問題の趣旨だからで、もしもあたりをオープンしてしまえば、変えますかという場面がなくなってしまうからです。


間違えずに、箱を必ずチェンジする、という正解を導くには、箱の数を増やせばよく分かります。


3つのうちの一つだから、期待値は30万円の3分の一で10万円、これが三つの場合です。


では30個ならどうでしょうか。


どれか一つを挑戦者は選択し、司会者は残りの29個のうちの一つをオープンします。


すると残りは28個。


次にその28個のうちの一つをまた司会者はオープンし、さらに残りの中から司会者は一つをオープンし、次々とオープンしていくのですが、じっと挑戦者は我慢して自分の箱を変更せずに見守ります。


30個の箱はやがて20個、10個となり3個、そして最後の2個まで絞られます。


28個がオープンされ、挑戦者の箱と、そうでない箱の二つに絞られますのでこの時、挑戦者は必ず箱を変えなければなりません。


期待値は挑戦者の箱は1万円、残った箱は29万円なのですけれども勿論これは、司会者が当たりの箱を知った上でハズレの箱をオープンしているからで、闇雲にオープンしている訳ではないからです。


分かりやすく言えば、この場面では最初に選んだ箱の期待値と、残り29個のどれかに入っている期待値との二者択一になっています。


つまり28個の箱はオープンになっていますので期待値はゼロですから、どちらかの箱に賞金が残されていますが、挑戦者の箱は最初の1万円のままですので、もう一つの箱が29万円になります。


三つの場合も同じです。


オープンしていない残りの二つのどちらかに必ず賞金がありますので、期待値は挑戦者の箱は10万円のままですが、もう一つの箱は20万円に増えています。


これは非常に有名なパラドクスです、次回、解説を少ししてみます。