ギリシャに始まりギリシャに終わる
西欧文明はギリシャに始まったが、そのギリシャから金融危機が起きようとしているのは全く皮肉だ。
古代ギリシャの都市国家の直接民主制は市民が自由に政治に参加できたが、勿論奴隷制に依存した一部エリートだけに認められた自由であった。
その西欧文明は今米国に開花しているが、憧れの地である筈の米国で格差反対のデモが拡がっている。
米国はこれまで自由の名の下に国民を統合してきたが、デモの参加者達は1%の富裕層だけが富を独占していると訴えている。
古代ギリシャ同様に 99%の庶民には利益の分配が無いと怒りを発しているのだ。
全ての市民が自由な筈の西欧にはエリート階級が存在し、社会を支配している。
この矛盾から眼を逸らす為に自由の理念が掲げられたのではないか。
それは決して平等ではなく あくまで自由でしかないと言う事だ。
自由こそ人類最大の幸福だとしてパックスアメリカーナを掲げ、自由なき共産主義や独裁制からの解放を達する為としてベトナムやイラクへ軍事力を行使した。
そこにはしかし真の正義が無く、米国の覇権は終わりを告げようとしている。
ギリシャの人口は1000万人、GDPは3000億ドルで日本の7%しかない。
その小国の破綻が 大国米国の経済をも揺り動かす大恐慌へ発展する恐れが指摘されている。
ギリシャから始まり米国で開花した西欧文明は 小国となったギリシャの破綻から終わりを迎える。