待合室で待っている間、
病名を調べるけど
難しくて分からなかった。

先天性副腎過形成にも
いつくかの種類があった。

軽度のものから
重度のものまで様々でした。

いずれにせよ、薬の手放せない生活になる。
その事は分かりました。

少し経つと主人が荷物を持って
病院に到着しました。

娘達が心配していた。
病院にいるから安心だよ。
きっと大丈夫だよ。
と伝えてきたそうです。

その言葉はその時の私にも
少しの安心感をくれた言葉でした。

看護師さんから呼ばれて
ICUの中に入りました。

息子は尿道から管を入れられ
身動きの取れないように固定され
手や足から点滴をしていて
数時間前に家で過ごしていた
息子とは別人のようでした。

「治療の薬をスタートしてから、
数値が少し安定してきてます。
この子は頑張ってますよ。
でも、まだ気が抜けない状態だから
今はここでしっかりお子さんを守らせてもらいますね。」

「お子さんには搾乳した母乳なら飲ませられます。
なのでお母さん、
今日はお子さんの為にしっかり休んで下さいね。
お母さん達が倒れちゃったら困るからね。」

そう言われました。

しばらく息子の様子を見ていたのですが、
息子は鎮静剤を入れているのでずっと寝ていました。

産まれた時から
息子は副腎不全を起こしていました。

肌の色が黒かったのも、
哺乳力が弱かったのも、
嘔吐が多かったのも、
体重が減り続けていたのも、
良く寝てくれていたのも、

全て病気によるものでした。

「よくここまでの状態で頑張ってましたね。
今まで同じ病気の子を診てきましたが、
この子の数値は正直見た事がありませんでした。」

そう言われてゾッとしました。


私に出来ることはまずはこの子に母乳をあげよう。

そう思って家に帰りました。

帰り道
不安になって、覚悟を決めて、
また不安になって、泣いて、覚悟を決めて、

ずっと不安定な気持ちを繰り返してました。

ただただ、息子の頑張りを信じる事。
先生方を信じる事。それだけでした。