ルシエルの魅力について語る | 空白の瞬間

ルシエルの魅力について語る

Gacktのソロ活動最初のツアーが、なぜ「MRAS~空からの訪問者~」だったかと言えば
恐らく「MALICE MIZERとしてのGacktの最後が"空"だったから」で間違いないでしょう。

マリスの5枚目のシングル『Le ciel ~空白の彼方へ~』がラストリリースであり
Gacktがマリスミゼルとして立ったラストステージ
横浜アリーナで歌った最後の曲もまた『Le ciel』(アルバムバージョン)。
ルシエルというのは、フランス語で空という意味です。

当時のインタビューで「ルシエルっていうのは感情の名前」と説明してて
何言ってんだこいつは(; ・`д・´)って大分困惑したけど(笑)
「自分ってネガティヴなのかも」っていうのが答えのようです。
Gacktさんの感覚は過去にいけばいくほど不思議ちゃん度があがるので
「あーわかるわかる!」って共感しづらいのはデフォです…。
必死な想像力が要されます(笑)。

空白の瞬間

とか言われてもわかんねぇよ!っていうね(笑)。
これが『Le ciel ~空白の彼方へ~』の曲衣装なんだけど
これを初めて見た当時はあまりの美しさに大興奮したよ(*´Д`*)
意味が分からないくらいに素敵すぎる!大好き!
わたしの中でこのビズを越えるものは未だにありません(笑)。

アルバムタイトルでありツアータイトルでもある「merveilles」もまた
マリスは「感情」だって何の不思議もないかのように言うんだよね…。
もうちょっと分かりやすく頼むよ!誰かマリス語を訳して(笑)!
ちなみに読み方はメルヴェイユ。
ミゼラーの間ではメルヴェと略して呼ばれることが多いです。
これもフランス語で、分かりやすいのでいうと「不思議な」かな。
辞書を引くと他には神秘的現象、奇跡、驚異なども書かれています。

メルヴェのコンセプトは97年の夏から98年の夏まで
1年間の中で3度のツアーをやっていて
(今思えばMOONプロジェクトに相当するような大掛かりな世界だったのかも)
1番始めは「Pays de merveilles」(ペイ・ドゥ・メルヴェイユ)と称して
不思議の国のアリスの世界がモチーフとなってました。
アリスをモチーフに独自の展開を繰り広げていくってだけでワクワクしちゃう(笑)。
この1文を書こうとしたら思いがけず懐古祭になってしまい
ホクホクしすぎて1つ前のアメンバー限定記事でちょっと叫ばせて貰いました(笑)。
このお話はまたそのうち。
あ、アメンバーはDearsさんかミゼラーさんならどなたでも承認しますので
お気軽に申請してくださいね(*´∀`)

merveillesを感情だと説明していたのはシングル『Le ciel ~空白の彼方へ~』のCDで
なんとこれ、PCに入れると凄い速度で大量の文字が流れ出すトリックがあるのです!
DVDのように再生ボタンはなく、PCに入れると勝手に始まって勝手に終わる映像で
その画面に圧倒されていると、あっという間に終了して砂嵐になるという
何とも困惑を招く謎のディスク。
まるで探偵物語の犯人からのメッセージのようです。


空白の瞬間 空白の瞬間

当時はまだPC普及率も低く、ビデオの時代。
雑誌で「PCに入れてみると何か起こるかもしれません」って言ってたから
どうしても試してみたくてPC持ってる友達の家に押しかけた記憶と空(笑)。
昔のTVみたいなBOXタイプの場所とるPCで見たよ(*´艸`)
マリスってばやることが粋すぎる。

で、その3000字以上の文字軍の始まりが
「merveillesトイウ感情ノ源ハ何処カラ派生シタ物デアルノカ」なのね。
そんなさらっと「merveillesという感情」とか言われても…!
そんな議題を立てる前にmerveillesがどういう感情なのか教えて!っていう(笑)。
間の文章も超意味わからなくて放棄欲求高ぶるけど、終わりの1文が
「コレガ大マカデハアルガmerveillesトイウ終焉デアリ帰趨ナノデアル。」
ってあるから、やっぱり中身理解しなきゃー!みたいな(笑)。

MALICE MIZERの世界は壮絶です…(笑)。
むしろ想像を絶すると書いて想絶です(;´∀`)
曲自体とPVとでは物語が違うらしく
11年この曲を聴き続けていても、正直何が何だか(ノ∀`)

多分アルバムバージョン=ライヴで演じられた世界で
シングル=PVなんじゃないかと思うんですが
いずれも共通しているのは「死者の行く場所」ということ。
行くというより、むしろ「魂の還る場所」と捉えるべきでしょうか。

シングルにおいてのGacktは、その魂を誘う立場にあり
記憶の確認・浄化などを考慮して
生まれ変わるとか、もしかしたら魂の完了として消滅もありえるのかな?
要は、その先の道への案内人だと思われます。
分かりやすく呼ぶ為にこれを「白ルシエル」と命名しますね。

一方、アルバム及びライヴでのGacktは「黒ルシエル」。
その先の展開を見せているような気がします。

ここからは完全にわたしの考察ですが
どう生まれ変わるとかそのタイミングとかの決定権は
白ルシエルのGacktにはなかったんじゃないかと。
空では掟があって、白ルシエルたちはそれをただ誘導する係なのに
PVの最後で怒りの表情を浮かべて薔薇を握り締めていることから
その掟に対して納得がいかず、勝手にその魂を自分の意思で動かし
掟に背いてしまったんじゃないかと思うんです。

そして注目はアルバムのブックレットですよ。
黒ルシエルのGacktが十字架に磔にされているんですよね。
これが空の掟に背いた罰…の状態なんじゃないかと。


空白の瞬間

ライヴの最後は、血を吐きながら光の中へ消えてゆき
そこに現れた天使が羽根を広げてステージが終了。
余韻と感動が半端ないライヴのクオリティはさておき
これはどういう意味なのか当時は全く意味が分かりませんでした。
この先にどんな展開が待っているんだろう?

その続きをどうするかという話し合いの中で
彼はマリスを脱退し、ソロ活動を始めることとなってしまった。
事務所やメンバーの話に納得がいかなかったり
自分の存在を拒絶されたショックで飛び出してしまったGackt。
それでもマリスを愛していると言い、誇りだと言った。
「また一緒にやろうって言われるまで、僕には僕の出来ることをやるだけだから」
そう言って幕をあけたソロ活動。

マリス脱退直前の失踪騒動の中、ソロ活動を始める前に
SHOXXという雑誌でストーリー仕立ての写真集のようなものがありました。
その始まりは、鎖がちぎられ、磔から逃げ出した後かのような十字架の写真。

空白の瞬間

「彼は……飛び立って、空に還ったわけではなく
 そこから何かの力によって地上に堕ちたんだと思う。
 そして、人間に生まれ変わって初めて人として感じる痛みという感情を知った。」
「この話は『Le ciel』の内容ともリンクしている」


なんて、発言がありました。

このSHOXXの写真作品は、限りなく『鶺鴒-seki ray-』のPVに似ています。
これもまた、そのうちお話ししたいと思います。

こうして人間として生まれ変わった彼のストーリーが
「空からの訪問者」として、新たに始まったのです。



興味がわいたら是非見てください★

PVバージョン


ライヴバージョン