結婚する前から、私を褒めるということはありませんでした。
私が卑屈な言葉を言うと、「そんなことはないよ」と言ってくれ、最初はそれが救いでした。
毎日三食、食事の支度、それに一言以上の文句がずっと続けられました。
私が料理したくないと思うほどになり、限界に来そうでした。
１週間後の給与が17万ぐらいです。
私の初任給がそのぐらいで、支店長でガスの危険物取扱者試験も定期的に受けてるのに、そんなに少ないのかと思いました。
私の実家は、父があまり給与が高くないのに、子供２人、大学に行かせてるので、できないことはないし今後上がるかもしれないと思ってました。
そして電気代がそれまで会社負担で一日中ほとんどすべてつけっぱなし。オーナーが電気代を自分で払えと言った理由がわかります。これは後まで続きます。
17万のうち、二人６万の国内旅行、新婚旅行に行くことになっていました。すべて元夫が決め、私はどこに行きたいと希望も行ってません。まだ入籍もしてない事実婚で、新婚気分でもなく、元夫の住む地域ですら私には小旅行で右も左もわかりません。別の場所に旅行して楽しいと思わないんです。
私の年休と休職が３カ月分ぐらいあり、いつ入籍するのか、先の借金で入籍が怖いのか、それに触れない元夫にも不満がありました。
新婚旅行は二人が楽しむものと私は思っていました。ところが元夫は結婚式ができない代わり知り合いに紹介する旅行にしていたのです。
最初はそんなにおかしいと思っていません。私の世界と元夫の世界は違いすぎて、元夫の方ではそうするのかと合わせていたのです。
あまりにも、というのが、２泊３日の２泊目、ネットで予約したというホテルの汚さ。そこで会った人らは、私らが新婚でというのを知らされず、元夫はなんのための旅行かと説明してないのです。
もっと前に結婚していて、夫婦で旅行がてら知り合いと飲む会になっていました。知り合いと言っても、ネットのオフ会で知り合った人たちです。
二人６万ですから、安いホテルでしょうがなくても、ロビーに猫のおしっこの匂いが漂い、灯も暗い、外から見てもホテルと見えない、食堂もないところです。
そうして、ホテルから少し歩いた居酒屋チェーンでもっと増えたオフ会仲間と飲んでる間、誰も結婚祝いを言わず、昔話に花を咲かせていました。そこに元夫はいません。それぞれの自慢話、愚痴話を語るので相槌を打っていました。
いつ、終わるんだろう。私は前からの知り合いじゃなくて緊張もしています。友達と私に言ったのに元夫と初対面の人だらけというのも違和感でした。そんな人らに夫婦の話ができないのに、新婚旅行なんて言うんだろうか。
元夫はいい機嫌で次々お酒を注文していました。
やっと終わりの時でも、みんなで最後の乾杯の音頭も「また会おうね」というもので、少しも私らの結婚の話は出ませんでした。
居酒屋で支払いは割り勘でした。その時、誰かが新婚さんに支払わせられないからねと私ら分を払ったようです。
元夫の財布には１万もなく、私は数万持っていましたが出していません。
酔った元夫は、私を見向きもせずに、その居酒屋から近い女性とホテルと別の方角に肩を並べて歩き出したのです。
なにが起きたの…。なぜ？ でした。
新婚で２週間もたってないのに、他の女と夜道を私の前で歩き去る人は誰なのでしょう。私はなんのために話を合わせていたのでしょうか。
