日本舞踊の難しさ | にゃんぷぅ日記。

日本舞踊の難しさ

随分ブログを更新してなかった…。

ここしばらく日本舞踊では宗家の付き人をさせていただいてるのだけど、
久々に私も踊る側に。

緊張~(笑)

日本舞踊

でも一昔前より、身体が動くようになってきたのは、成長の証拠なのかな?

宗家がいつも色んなお話を聞かせてくれ…自分の人生について考えることも多々あります。
踊りのこと、考え方のこと、人生のこと…。
宗家や、姉弟子でもある家元に、可愛がっていただけて本当に恵まれた環境だなぁ~と思います。

行動力の塊みたいなお二方なので、刺激沢山。
やっとやっとの思いで追っかけています。



呼吸の大事さ、静で魅せる難しさ、メリハリの大事さ、
曲を読み解き、自分に落とし込むのに、わたしは時間がかかるようです。
(自覚はしていたけど、これほどとまでは思っていなかった!)



今日、宗家が私の演目2曲について、一言おっしゃってくださいました。
「雪が解け、春がきて…」



雪に追われ、愛に破れても、許す優しさをもつこと。
思い出すと悲しいのに、何故か温かい気持ちになる愛。
雪解けの眩しさ、暖かくてもまだ風は寒い時期、
うっかり目がニコッとしてしまう、桜の花々。
無邪気だった自分に生まれ変わる春。

”辛く悲しい冬が終わり、希望の春がやってきた…”

よくそう例えられる事が多いですが、辛く悲しい時期をあなたはどう乗り越えたのか。
憎しみで乗り越えたのか、希望を持って強く生き抜いたのか。
ただ暖かいだけじゃない春を、どう表現できるか。
冬をどう乗り越えたによっては、春が活きてこない。

私はそう解釈しました。

自己陶酔じゃないですけど、
”表現してるつもり”
ずっとこの壁に悩まされていました。

今もです。

気持ちを込めて、曲を解釈してもしても、
宗家に言われるのは、「あんた何歳や?恋したことないんか?」
そう言われるのが凄く悔しくて…。

恋したこともある、
辛い経験もある、
嬉しかったこともある、
歌詞の解釈も間違ってない、
振りも間違ってない。

なのに何故そう見えないのか?

ずっと自分と自問自答の日々でした。

日本舞踊はニッと笑ってはいかん。
無表情にも近いと言える表情で、表現をするのなんてムリや、と何度も思ったことがあります。

でも宗家や家元を見ると、表情がなくとも雰囲気で顔を表現してるんですね。

違いがわからないわからない…。

自分のお稽古の動画を何度も何度も見ました。
宗家の動画も何度も何度も見ました。
家元の動画も何度も何度も見ました。
自分の初お披露目舞台の動画も見直しました。

何度も何度も見ているうちに、
間違い探しじゃないけれど、目が肥えてくるのもあり、違いがわかるようになりました。

去年一年、個人的な理由で踊りを中止し、付き人として裏に回らせていただき、
沢山の舞踊家さんの舞台を見させていただきました。

あれは決して無駄ではなかった、と確信しました。
私に必要な遠回りの時間だったと…宗家にそう打ち明けると、宗家もそうおっしゃってくださいました。

自分の”表現したつもり”の壁を壊す方法もわかり、
後はそれをいかに身体に沁みこませるか。

方法を理解しても、それが出来るかどうかはまだまだこれから次第なんですけど。
自分に挑戦したいな、と思いました。

色々な意味で、余裕が、人を創るのですね。

昔みたいにハイペースで踊りに携われることは、この先減ると思いますが、
ゆっくりでもマイペースに、続けていきたいと思ってます。