真似るだけでは 高額授業料 | 徐さんの中国通信

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ニューエコノミーと銘打って華やかに登場した小口ローン(消費者金融)やPP、バイクシェアリング。

小口ローンに対して先週、中央銀行と銀行業監督管理委員会は新規事業の認可凍結を発表しました。

そしてバイクシェアリングについて25日までに、6社がサービスを停止することが明らかになり、6社合わせての保証金は10億を超えると見られ、今後保証金返還が社会問題化されることが懸念されています。

 

「中国インターネット発展状況統計報告」によると、2017年6月までバイクシェアリングのユーザー数は1億0600万に達し、保証金1ユーザーにつき100元としても100億元を超えてしまいます。

シェアリング用バイクの利用は1回につき、0.5元から1元の利用料がかかるので、1台につき一日の利用回数は5回として、500元~1000元かかるバイクのコストを半年かかってやっと回収できるという見込みが多いのですが、登録ユーザーは1名につき、100元から298元の保証金が利用する前に納付する必要があり、企業側は保証金を運用して利益を上げるというのがビジネスモデルだったようです。

 

IT大手のテンセントやアリババも業界に参入し、初期のモバイクやOfoなどの企業に出資したりしています。その効果もあって、VCや各種PEなども多額の出資をして業界はたちまち戦国時代に。そこで登場したのは無担保サービスの企業。最盛期には30社以上も同業者が現れましたが、2年未満で早くも不渡りと営業停止の会社が出てしまいました。

駐輪問題で上海と北京では、業者に対して現状以上の台数を増やさないよう指導も出ていますが、モバイクとOfoの大手2社が黙って台数を増やし、上海市から先週両社に警告する事態まで生じています。

バイクシェアリングが誕生した当初、起業のモデルとしてマスコミにもちやほやされましたが、秩序のない駐輪で市民から苦情が噴出し、結果2年も経たないうちにお手上げの企業が出ています。

企業は清算されても保証金の返還がどうなるのか、起業する側も利用者も授業料を支払った形となってしまったのです。

「失敗は成功の母」とも言われますが、イノベーションのない真似だけでは、高額授業料を支払わされます。小口ローンもバイクシェアリングも多くの人に取って教訓となったようです。