故郷京都は、今話題の「餃子の王将」こと王将フードサービス発祥の地だ。京都・四条大宮の角地で生まれた王将は、今や外食業界の「風雲児的存在」である。京都で暮らしたり学生生活を送れば、必ず一度は王将へ飯を食いに行くものだ。

さてさて…
実はヤブロの友人達が、王将の新人教育のUチューブを見て、


「こんな非人間的洗脳教育をスル王将には二度と行きたくない」
「所詮詐欺商売とかわりないな」

とレスが上がっていた(笑)
まあ、一般企業でこんなことやろうもんなら、労組の街宣車が大挙やって来て「おい社長、ちょー降りてこいや!」なんて事になるのが必定だろうが、こと飲食業に関しては、そういう論理は通用しないものだ。

以前仕事の関係で、大東社長とお会いする機会があったが、その時に(一般論的な)ビジネスの進め方について少々議論した事が有る。その時、大東氏が述べられた事は今でも印象に残っている。


…どんなに学歴がなくても、数百社入社試験に落ちた人間でも「コイツは行ける」と思った人間は取りますよ。それって吉本の芸人学校と同じ。
要は「受動的じゃなく能動的に仕事をやろうとする奴」でなきゃ、絶対このギョーカイでは行き詰る。しかも「お客様相手」でっせ。料理頼まれて10分も待たせたら、二度とお客さんは来てくれまへん。それ位このギョーカイは浮き沈みが激しい。

王将の社員になるってことは、サラリーマンみたいに言われた事だけやって自動的にお金を貰える商売じゃないんですわ。店の経営をやる。もちろん調理も仕入れも、さらにはバイトの採用や教育も…。つまり「一人の個人経営者」を育てる事。

だから私共の教育は「自衛隊も真っ青」なんて言われますわ。奴らだって所詮公務員、黙ってもお金貰えるんでっせ。大久保の駐屯地の方が「新人教育」ってウチに頼んでこられましたが、実際引き受けたら来た3人がホンマ脱走しましたで…


自衛隊員が脱走したか否かは別として、今や個人事業者となった私にとって大東氏の言葉は「ごもっとも」としか言い様がない。確かに賃金労働者からの反発も「ごもっとも」と言わざるを得ないが「銭儲けたきゃ自分で考えてみろ」と言うべきなんだろう。

ただ行き過ぎた「労働者の個人事業主化」は、労働現場の士気低下と結束の弱体化を進めるだけだ。もっとも労組がそうしたことへの対策を打たず、自分達の利益防衛だけに走っていること自体が一番の問題だが…。