借金先は同性の先輩でした | 中国人民銀行の真実

中国人民銀行の真実

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学生時代、自宅は東京にあるのに、独り暮らしにあこがれて、バイトで貯めていたお金で
杉並区の3畳間に下宿しました。

トイレは共同・お風呂は銭湯。家賃7500円の一間にふとんとボックス家具、はじめはキッチン用品すら
ありませんでしたが、生活費くらいはバイトで稼げる、と強気でした。

ところが、いざ生活を始めてみると、光熱費や食費の見当がつきません。
バイトは、学業の合間しかできませんでしたから、月に3~4万円の収入がやっと。
バイト代は、あっという間に家賃と食費と光熱費に消えました。着るものには手も届かず…。

ある月は、試験期間が1週間続いたために、バイトの収入が少なくて、月末に近づいたのに、
手持ちのお金では家賃も払えない状況に。

印刷会社の日払いのバイトをして家賃を支払いましたが、そのかん、講義は欠席。悪循環でした。

夏休みに入りましたが、7月後半にはサークル合宿などで貯金を使い果たし、もちろん合宿のためバイトもできません。
結局、意を決してサークルの女性の先輩に事情を話し、お金を借りたのです。

借りたのは、はっきり覚えていますが、5000円でした。
でも、そのお金がどんなにかありがたかったか。
なんとか夏休みの8月が巡って来た時に、ガンガン、バイトしてお金を貯め、先輩にお金を返すことができたのです。

先輩と話すまで知らなかったのですが、先輩は奨学金で大学に通っている人でした。
実家からの仕送りはなんと3万円のみ。その中から、やりくりしていたそうです。
独り暮らしの知恵やお金を計画的に使う方法など、先輩からずいぶん教わりました。

その後、先輩は北海道に嫁いでしまわれたため、一度お会いしたきりで、年賀状のやりとりしかありません。

でも、自立することの大変さや楽しさを教えてくれた、私にとっての恩人が、この先輩なのです。