製作  2008年
 
監督  冨樫森
 
ジャネット・リー・ケアリー原作の米国の児童文学を映画化した感動作

 

『天使の卵』など人間ドラマを得意とする冨樫森監督が、突然の不幸に見舞われた一家の再生の道のりを静かに見すえる

 

『冷静と情熱のあいだ』以来7年ぶりの映画出演となる竹野内豊が、2児の父親役で新境地を開拓し、妻役の水野美紀や息子役の広田亮平らとともに迫真の演技をみせる

 

平凡な日常に潜む人間の温かさや力強さを生き生きと描いたストーリーに引き込まれる
 
★★★★あらすじ


 地方都市で写真館を営む雅仁(竹野内豊)は妻(水野美紀)と小学生の息子(広田亮平)、幼稚園に通う娘(吉田里琴)と幸せに暮らしていた

 

だがある日、子どもたちが交通事故に遭い、息子(英治)は無事生還するが、娘(英里奈)は亡くなってしまう

 

雅仁は娘を守れなかったことで自分を責め、生き残った息子は何とかして両親をなぐさめようとする

 

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とても可愛い兄妹が出てくる・・・やんちゃな妹、少しもじっとしていない・・・唄ったり踊ったりいたずらをしたり・・・おにいちゃんはそんな妹を文句を言いながらも相手をしている・・・

 

この女の子の可愛いこと・・・彼女が動いたり話したりするたびに何となく微笑んでしまう・・・周りを明るくする女の子なのだ・・・

 

家族再生の物語・・・ということは知っていた・・・この兄妹のどちらかが亡くなってしまうのだろう・・・ストーリーの先を考えるとちょっと憂鬱になる・・・

 

兄妹が交通事故に遭い妹が亡くなった・・・家族の哀しみをこの少年(英治)が一生懸命、慰めようとする・・・必死で母親・父親の哀しみを取り除こうとする・・・親のエゴがしゃくに障ってきた・・・

 

子供が大人に気を遣っている・・・せつなくて・・・どうして気づいてあげないのよ・・・と、本当に腹が立ってきた・・・この少年の気持ちになるとドキドキして怖くなってくる・・・

 

英治は妹に手紙を書き続けていた・・・父親がその手紙を読み始めたときから、涙が止まらなくなった・・・「お父さんの前で英里奈の名前を呼べなくなったからここで10回呼ぶね・・・英里奈、英里奈・・・」・・・

 

「ちょっと大きい子供は周りに少しは気を遣うんだよ」・・・どうしてこんなにいい子なんだろう・・・

 

英治は英里奈との思い出の山へ行き遭難しそうになる・・・英治の手紙を読んでやっと自分の愚かさを悟った父親が必死で捜索し英治を見つける・・・

 

それでもまだ終わりではなかった・・・新しく生まれてくる赤ちゃんのための部屋作りを親子3人でしているとき・・・英治が話し出した・・・事故に遭った後、身体から離れて英里奈と空を飛んでいた・・・その後病院に戻ってきた・・・

 

その時に父親が呟いた言葉が忘れられない・・・「どうして英里奈なんだ」・・・

 

英治は自分が生き残ってはいけなかったのではないか・・・とずっと思っていた・・・

 

新しい家族が生まれて親子4人で思い出の場所へ行き英里奈への手紙を空に飛ばす・・・ラストシーンはやっと落ち着いて観ることが出来た・・・

 

                       

 

英治を演じた男の子・・ちょっと濃い顔をしている・・・最近テレビで観たような・・・あ~、『真田丸』に出ていた・・・大泉洋さんが扮した真田信之の長男・真田信吉役だ・・・

 

この映画から6年が経っている・・・もう青年になっていた・・・