「大船観音に行ってきました」
と教えてくれました。
私の家がそちら方面なので、
伝えてくれたのだと思いますが、
とてもうれしかったです。
マイナーな観音様ですが、
私にとって大船観音は
学生時代から守って貰っている
ありがたい存在なので
訪ねてくれて感謝です。
今回は、大船観音の話です。
東京から湘南方面に東海道線で進むと、
戸塚を過ぎたあたりから、
だんだん緑が増えてきます。
すると、もう大船駅です。
大船は、鎌倉や逗子方面への
横須賀線の分岐点でもあります。
その大船駅の北側、
目の前の小高い山の上に
大船観音は鎮座しています。
私の通っていた学校は、
大船駅から歩いて15分位の
坂の上にありました。
なので中学・高校の6年間、
大船の観音様の下を通って
通学していました。
今から思うと、観音様は山の上から、
我々生徒達をそっと見守って
いてくれていたのだと思います。
高校卒業後10年ほどは、
大船を通ることはなかったので、
しばらく観音様を眺めることは
ありませんでした。
結婚して茅ヶ崎に住むようになって、
電車越しですが、
ふたたび観音様の横を通って
通勤しています。
ただ10年間見なかったうちに、
観音様はすっかりリフレッシュされ
今のようなきれいなお顔に
なっていました。
とにかく高校時代の観音様は、
長年の雨風に打たれたままで、
石の成分が溶け出した故か、
気の毒なほどの泣き顔でした。
リフレッシュされた観音様は、
酸化チタンか何かのコーティングを
されているのでしょうか
20年以上経っても、
きれいなお顔です。
いつしか、私は毎朝電車の左側に座り、
その日の無事(特に仕事面)を
観音様にお祈りして
通勤するようになりました。
藤沢駅を過ぎ、
大船駅の手前の
変電所を過ぎるあたりから
観音様が見えてきます。
東海道線の線路はまさに、
観音様が円の中心となり
円弧を描いて、
大船駅に向かっています。
はじめは観音様の右ほほが見え、
次第に正面に相対し、
電車が大船駅のホームに
滑り込むあたりでは、
左の横顔が見えます。
大船駅を出ると、
観音様は背中を向いておられ、
ときおり、頭にカラスが
乗っかっていることがあります。
観音様の表情は
日々微妙に変わって見えます。
やはり、見る人の心情が
そのまま観音様の顔に
表れているんだと思います。
