やっぱり大事なバランス感覚
久々にナミダポロリと来てしまう映画に出会いました。
その映画は、「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」
ご存じ、サザエさん、ドラえもん、ちびまる子ちゃんと並ぶ国民的キャラのクレヨンしんちゃんの劇場作品です。
![]() 映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲
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名作の評判は知っていたものの、つい最近までノーチェックでした。
そもそも、クレヨンしんちゃんにはどうにも馴染めないで、今まで過ごしてきました。
※小っちゃい子が真似しているのを観るとちょっとイラッとするくらいでしたよ・・・。
しかしながら、エンターテイメントの話題等で度々この作品の話題が出るところから、次第に興味を持ち始めて、ようやく先日DVDを購入しました。
※1,800円と値段も安いしね・・・。
2001年公開のこの映画、今から10年ちょっと前ですが、当時は大学生でした。
クレヨンしんちゃん自体あまり興味が無かったワタクシは当然スルー、
しかし、その時に観ていたら、もしかしたら今以上の感動は無かったかもしれませんね。
小さい頃の懐かしい思い出、社会人になっての独身生活、会社での色々な困難、結婚、出産、マイホーム。
人生の前半戦もそろそろ終盤を迎え、今現在まだ頑張っているお父さん、お母さん。
そんな状況に置かれた今だから、グッと心に訴えかけるものがありました。
中でも終盤、父ヒロシの回想シーンは号泣モノです。
この映画のテーマは家族、大人と子供、懐古主義、そんなキーワードが挙げられます。
20世紀憧れに彩られ語られていた21世紀像。でも現実世界の21世紀は!?
相も変わらず資本主義が世界を支配しせめぎあい、争いが繰り返される。
年々希薄になっていく日本の家族観。
無色な味気のないグローバルスタンダードな世界。
そんな中感じられる郷愁の念。「あの頃は良かったなぁ~・・・」
しかしそれでも、そんな醜い現実未来を選択し、オトナが造り、コドモが継承し、さらに造り上げていく事を描きます。
詳しいあらすじとかはコチラ で。
まだ映画を観ていなくて、ネタバレしたくない方はノーチェックで観ることをオススメします。
まあ、このブログで度々出てくるように、懐古主義的なジャンル(レトロなファミコンとかラジカセとかね・・・)が
大好きなワタクシですが、まんまとその部分にこの映画はぶっささりました。
2000年から早12年、最近はそんなテーマの映画が多いですよね。オールウェイズ~とか20世紀~とか・・・
ただ、この本作品「オトナ帝国~」は懐古主義を表面だけで描いていなくて、とても説得力のある内容でした。
先月観た邦画「サウダーヂ」で描かれた、「懐かしくても戻れないあの頃への憧れ」も似たテーマ性でした。
この映画はホントに面白かったなぁ。今を生きる30代以上の全ての男女ソルジャー諸君にオススメ!!
※まだオーディトリウム渋谷でやってます!是非っっ!!
とにかく「泣ける話」とか「良い話」とかがファストフード化している昨今ですが、本作品「オトナ帝国~」は違います。
因みにアニメ好きなワタクシも、泣けると評判のワンピースはどうにも馴染めないんです・・・。
冒頭部分だけ読んで触りは知っていますし、別に嫌いではないんですけどね・・・。
※なんかザワっとする違和感があるのです。誰かこの感じ共感できて説明できる方います?
まあこの辺の分析はいずれどこかで。
なんというのでしょうか、泣ける話の押し売りになっていない軽快なギャグや語りで描かれる本作品は
やっぱり絶妙なバランス感覚で製作されているのでしょう。
そんな作品を2001年当初描き切った映画スタッフに感謝です!!