それ以前とその後・・・「劇場版 パトレイバー2」
ようやく押井守監督の名作と謳われる劇場作品「劇場版パトレイバー2」を観ました。
アメブロである方の記事がきっかけでパトレイバーにハマってから約1年。TVシリーズからOVA版を経て、この作品までやっとの事でたどり着きました。
名作ですからもうこの作品については語りつくされていると思いますが、自分の整理の為に感想を書いておきます。
1993年作品「劇場版パトレイバー2」
何せ18年も前の作品ですから予告版の編集はアレですが、さすが功殻機動隊の押井守監督作品。はっきり言って今見ても全然世界観は通用します。
まあ、オープニングを観てみて下さい。
オープニングアニメとクレジットの入り方が実に「これから始まるぞ感」を盛り上げてくれます。
さて、ネタバレしない様に感想を。
この作品「パトレイバー」と銘打っておきながら、単純なロボットアニメではありません。
※原作パトレイバー自体単純なロボットアニメとは言えないほどの社会性を秘めていますが。
物語は1999年、とある東南アジア某国にPKO部隊として派遣された日本の陸上自衛隊。人型汎用メカ「レイバー」に乗り現地ゲリラと戦う戦闘シーンから始まります。
一方的に攻撃される陸上自衛隊。部隊長は攻撃の許可を求めますが、当然日本はお決まりの「日本国憲法第9条」別名「平和憲法」により攻撃の許可は下りません。
攻撃も出来ないまま無残にもやられて行くレイバー部隊。
その中で生き残った部隊長。モニター越しでの戦闘が終わり、コクピットから出るとそこには青い空と現地の遺跡。
そして、3年後の2002年。ある事件をきっかけに日本は徐々に戦争状態へ移行して行く。
この徐々に非日常に移り変わって行く感覚を押井監督は18年前、当時映画で再現しました。
ワタクシがこの作品を観ようと思いDVDを入手したのが約半年前。時間が取れなくてようやく最近になって観たのですが、このタイミングがかなり意味のあるものとなりました。
そのタイミングとは「3.11東日本大震災」の以前と以降というタイミング。
震災当時のブログにも書きましたが、まさに「終わりなき日常が終わりを告げた」と感じました。
当然、それ以前と以降では様々な事柄に対して見方、感じ方が変わります。
「劇場版パトレイバー2」は日常が非日常に変わって行く、今だからこそより深く実感できる。そんな感覚を非常に明確に刺激してくれる作品です。
日々世界各国で繰り広げられているであろう戦争行為。日本ではそれを実感では無くモニター越しに感じているだけです。
「今の日本の平和とは何なのか?」「戦争とは国防とは何なのか?」「デジタル化と人の在り方。」大きく分けてこんなテーマが骨格となっています。
もっとも「尖閣諸島の件」以降、竹島問題をはじめ領土問題が各方面で常態化している昨今。日本もあながち手放しで平和とは言い切れないかもしれませんね。
震災を経験し、それ以前、それ以降を意識できる今の日本。このタイミングで観るならば、物語中盤で誰もがそれを実感できる事でしょう。
国防や核武装に対する意見を述べただけで煙たがられる今の日本。
ずぶずぶと混迷していく現日本内閣。
「脱原発」もよろしいのですが、それだけで盲信的に突っ走るのはどうかと感じる今日この頃。
そんな「虚構によって築き上げられた日本の平和はどこに向かうのか?」を意識せざるを得ないシーンを抜粋します。
これが18年前の作品とはねぇ・・・。
「正義の戦争と不正義の平和の差は明瞭ではない。」
「戦争が平和を生むように、平和もまた戦争を生む。」
うーむ・・・。
思いつくまま、現在に至るまでの非日常を書き出してみました。冷戦の終焉、天安門事件、ベルリンの壁崩壊、日本経済バブルの終焉、湾岸戦争、9.11テロ、イラク戦争、なるほど、日本で暮らしていると気付きにくいですが「終わりなき日常」はとっくの昔に終わっていたのかもしれないですね・・・。そして映画でも語られている様に、「気付いた時にはもう遅過ぎる」のでしょうか・・・。
あ、それとパトレイバーシリーズを観ていなくてもこの作品単体だけでも十分理解は出来ますよ。シリーズメンバーがメインに出てこないとか、そういう作りになっています。
日本人なら万人にオススメ致します!!
アメブロである方の記事がきっかけでパトレイバーにハマってから約1年。TVシリーズからOVA版を経て、この作品までやっとの事でたどり着きました。
名作ですからもうこの作品については語りつくされていると思いますが、自分の整理の為に感想を書いておきます。
1993年作品「劇場版パトレイバー2」
何せ18年も前の作品ですから予告版の編集はアレですが、さすが功殻機動隊の押井守監督作品。はっきり言って今見ても全然世界観は通用します。
まあ、オープニングを観てみて下さい。
オープニングアニメとクレジットの入り方が実に「これから始まるぞ感」を盛り上げてくれます。
さて、ネタバレしない様に感想を。
この作品「パトレイバー」と銘打っておきながら、単純なロボットアニメではありません。
※原作パトレイバー自体単純なロボットアニメとは言えないほどの社会性を秘めていますが。
物語は1999年、とある東南アジア某国にPKO部隊として派遣された日本の陸上自衛隊。人型汎用メカ「レイバー」に乗り現地ゲリラと戦う戦闘シーンから始まります。
一方的に攻撃される陸上自衛隊。部隊長は攻撃の許可を求めますが、当然日本はお決まりの「日本国憲法第9条」別名「平和憲法」により攻撃の許可は下りません。
攻撃も出来ないまま無残にもやられて行くレイバー部隊。
その中で生き残った部隊長。モニター越しでの戦闘が終わり、コクピットから出るとそこには青い空と現地の遺跡。
そして、3年後の2002年。ある事件をきっかけに日本は徐々に戦争状態へ移行して行く。
この徐々に非日常に移り変わって行く感覚を押井監督は18年前、当時映画で再現しました。
ワタクシがこの作品を観ようと思いDVDを入手したのが約半年前。時間が取れなくてようやく最近になって観たのですが、このタイミングがかなり意味のあるものとなりました。
そのタイミングとは「3.11東日本大震災」の以前と以降というタイミング。
震災当時のブログにも書きましたが、まさに「終わりなき日常が終わりを告げた」と感じました。
当然、それ以前と以降では様々な事柄に対して見方、感じ方が変わります。
「劇場版パトレイバー2」は日常が非日常に変わって行く、今だからこそより深く実感できる。そんな感覚を非常に明確に刺激してくれる作品です。
日々世界各国で繰り広げられているであろう戦争行為。日本ではそれを実感では無くモニター越しに感じているだけです。
「今の日本の平和とは何なのか?」「戦争とは国防とは何なのか?」「デジタル化と人の在り方。」大きく分けてこんなテーマが骨格となっています。
もっとも「尖閣諸島の件」以降、竹島問題をはじめ領土問題が各方面で常態化している昨今。日本もあながち手放しで平和とは言い切れないかもしれませんね。
震災を経験し、それ以前、それ以降を意識できる今の日本。このタイミングで観るならば、物語中盤で誰もがそれを実感できる事でしょう。
国防や核武装に対する意見を述べただけで煙たがられる今の日本。
ずぶずぶと混迷していく現日本内閣。
「脱原発」もよろしいのですが、それだけで盲信的に突っ走るのはどうかと感じる今日この頃。
そんな「虚構によって築き上げられた日本の平和はどこに向かうのか?」を意識せざるを得ないシーンを抜粋します。
これが18年前の作品とはねぇ・・・。
「正義の戦争と不正義の平和の差は明瞭ではない。」
「戦争が平和を生むように、平和もまた戦争を生む。」
うーむ・・・。
思いつくまま、現在に至るまでの非日常を書き出してみました。冷戦の終焉、天安門事件、ベルリンの壁崩壊、日本経済バブルの終焉、湾岸戦争、9.11テロ、イラク戦争、なるほど、日本で暮らしていると気付きにくいですが「終わりなき日常」はとっくの昔に終わっていたのかもしれないですね・・・。そして映画でも語られている様に、「気付いた時にはもう遅過ぎる」のでしょうか・・・。
あ、それとパトレイバーシリーズを観ていなくてもこの作品単体だけでも十分理解は出来ますよ。シリーズメンバーがメインに出てこないとか、そういう作りになっています。
日本人なら万人にオススメ致します!!