タイを舞台にした映画でカンヌ映画際でも大賞をとった映画、ブンミおじさんの森

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この映画を見た人は、まず初めに何を思うだろうか

物語だけを楽しむ人なら、この映画はよくわからない、映像だけが綺麗で何を言いたいのだろうと思う人が殆どかもしれない




確かに私も一度この映像を見ただけではわからないことが沢山あるだろうと思った

何故ならこの映画は、映画という枠を飛び越えてしまっているから




映像に映し出されるのは、森に住むおじさん達を囲む身内の人と、おじさんの病体をフォローするお医者さんとその研修生だけの数名が主体

そしてその人達の周りで起こるとっても不思議な現象

幽霊や精霊が出てきては、驚くことなく共存して生きている生活

きっと日本ならただのホラー映画になってしまうような出来事を、特に恐れることもなく、同じ人同士が静かに会話をするように物語が進んでいった




そして始めに聞いた、おじさんが森を見るたびに前世の記憶が蘇るという台詞

この台詞が、きっとこの映画の物語の鍵で、途中出てくる水牛やナマズは、きっとおじさんの前世の記憶なのだと感じた




映画中盤あたりでは、死期が近づいているおじさんは、自ら胎盤と呼んでいる洞窟に皆を連れて行き、その洞窟の中で僅かに泳いでいるナマズ達の近くで、皆とお別れをするのだけど

この時、おじさんはナマズに還ろうとしていたのかなと




度々カルマという言葉が出てきたりするけれど、この言葉の意味は自分が今までしてきた行いは必ず自分に返って来るという因果の意味で

この映画が1番伝えたかったものはと考えたら、きっと今忘れ去られている、人の自然と生きる生き方とか、そういったものが必ず自分達にも返って来るだろうということと

けっして人だけが特別なわけではなく、人だってただの動物の一部でしかないという意味がこめられているのだろうと感じた




この映画から学んだこと、自分達が本来あるべき姿とは、目に見えない存在があったとしても、それに怯えることなく、共存していく生活模様が凄く理想的であり、この生活こそが当たり前だったという事かもしれない

自然の摂理そのものが、この映画には溢れ出ていた




私が感じた以上に、この映画は凄く深く、この映画を撮った人達は言葉とか映像以上のものを凄く込めている気がした

言葉だけでは絶対に言い表せない芸術

まさにこの映画が、それに等しい映画なのだろう




こんなにも考えながら見た映画は初めてだった

言葉が出ないとはきっとこういうこと




みればみる程、この映画の魅力を感じてくる気がする

そして物語の意味もわかるかもしれない




凄く哲学的で衝撃だった

色々考えている人には、一度はみてほしいかもしれない