2010年05月23日 — 広島大学の研究者らが星の爆発について研究した論文が、20日発売の世界的に権威のあるイギリスの学術誌「ネイチャー」に掲載されました。なんでも生命の起源に迫る重要な発見だということです。
 「ボヤッと光っているこの広がりを持っているのが銀河でして、左下に見えているこの明るい点が〝超新星〟です」(広島大 宇宙科学センター 川端弘治准教授)
 この〝超新星〟が世界が注目する星、正確に言えば星の爆発です。
 学術誌「ネイチャー」掲載に先立って、広島大学の川端弘治准教授ら研究チームが、東京都内で記者会見しました。
 タイトルは、「ついに発見『幻の』超新星」―。超新星とは水素やヘリウムの核融合で自ら輝く恒星が起こす大爆発のことです。これまで太陽の12倍以上の重さの星で観測されていました。
 「幻の」超新星は、山形県のアマチュア天文家・板垣公一さんが5年前に発見。研究チームは、この超新星の重さが太陽の10倍程度で、理論上最も軽いものであることを突き止めました。
 共同研究した東京大学の研究者は、宇宙の進化や生命の過程に迫る発見だとしています。
 「太陽質量の10倍くらいの星というのは、実は生命を構成する元素要素である炭素や窒素を宇宙空間に吐き出して、それが積もり積もって現在、われわれの体を作っている。そのような超新星が実際に見つかり、うれしいというか、生命の起源までたどりつけると」(東京大 数物連携宇宙連携機構 前田啓一特任助教)
 「会見では、もう1つ、アマチュア天文家との連携の大切さが強調されていました。地道な天体観測はアマチュアにまかすのがよいというのが最近の風潮のようです」(柴田和広記者)
 「事業仕分けってありますけど、なかなか成果があがることがわかっていないものはなかなかやりにくい状況というのがあるんですよね」(広島大 宇宙科学センター 川端弘治准教授)
 第一発見者の板垣さんは、今回のネーチャー掲載についてどう思っているのでしょうか?
 「わたしは本当に星を探るのが好きで、結果として学問の道具にしていただいて幸せ者だと。基本的に難しくて、さっぱりわかりません」(発見したアマチュア天文家 板垣公一さん)(5/20 19:34)