エネルギーの消費

骨格筋が収縮・弛緩する際は大きなエネルギーを消費する。このエネルギーはATPによって供給される。

 

収縮する際には、ミオシン頭部に含まれるATP分解酵素(ATPase)がATPをADP(アデノシン二リン酸)に分解する。このときに放出されるエネルギーがアクチンとミオシンの滑走を起こし、筋は収縮する。

 

また収縮に使われたCa2+は濃度勾配に逆らって筋小胞体に取り込まれ(能動輸送)、筋は弛緩する。このとき(筋小胞体へのCa2+の能動輸送)にもエネルギーを必要とする。

 

エネルギーの補充

ATPが消費されるだけではエネルギーは枯渇してしまう。生体はエネルギー源としてのATPの消費と同時に絶えず補充を行っている。

 

主なエネルギー補充系には、速やかに利用できるエネルギー貯蔵所であるホスホクレアチン(クレアチンリン酸)グリコーゲン分解によるエネルギーの補充(解糖系)、有酸素系による補充がある

 

ホスホクレアチン系は、ミオシン頭部にあるクレアチンホスホキナーゼという酵素によって、クレアチンリン酸がクレアチンとリン酸に分解されるとたくさんのエネルギーが放出される。このエネルギーによってリン酸とADPからATPが合成される。

 

しかし、この系で産生されるエネルギーは多くはないので、100m競争やジャンプ、重量挙げ等の瞬発力を要するような短時間に最大の力を発揮する運動の際に利用される。また、筋肉中のグリコーゲンが分解して乳酸になるときに出るエネルギーによって、クレアチンとリン酸からクレアチンリン酸が合成される。

 

ここでできた乳酸は、肝臓で酸素の存在下にグリコーゲンに合成される。グルコース、脂肪酸、アミノ酸等が酸素と結合して大量のATPを産生する有酸素系による補充がある。