骨格筋による熱産生

恒温動物では、体内での熱産生と体外への熱の放散がうまく調節され、平衡が保たれている。この熱産生に重要な役割を担っているのが骨格筋で、骨格筋が組織中で最も多くの熱を産生する。筋収縮時に発生するエネルギーのうち、約25%が収縮・弛緩に使われ、残りが熱となり体温の保持に利用されている。

 

運動すると身体が火照る経験をもっているだろう。これは運動により熱産生が高まるためである。また、寒いときに手をこすったり、ふるえたりするのは、摩擦や筋肉を動かすことで熱産生を高めようとする身体の防御機構の1つである。

 

筋肉の疲労

筋を長く激しく動かすと筋は疲労する。筋は疲労し始めると、収縮力は弱まり、ついには反応しなくなる。

 

通常、筋肉が動かなくなるほどの疲労はめったに起こらない。なぜなら、ヒトは極度の疲労を起こす前に運動を減らすか、休息するからである。しかし、マラソン選手ではこのような真の疲労を起こし、動けなくなることがある。

 

疲労の原因

筋肉の疲労にはエネルギー源の減少、代謝産物(乳酸、クレアチン、ケトン体など)の蓄積とそれによるpHの低下、その他いろいろな原因が考えられている。

 

筋肉の収縮には酸素が必要である。適度な運動の場合には、循環血液量の増加や呼吸数の増加によって必要な酸素は供給される(運動により交感神経の活動が高まり、心筋収縮力増強、心拍数増加、その結果、循環血液量が増加し、必要な血液を供給する)。

 

しかし、激しい運動を続けると筋肉への酸素供給は追いつかなくなる。その結果、筋肉中に乳酸が蓄積し、筋肉疲労すると考えられている。

 

疲労の回復

筋肉中に蓄積された乳酸は、血液によって肝臓に運ばれる。休息などによって酸素が補給されると乳酸の大部分はグリコーゲンに再合成され、ATPが合成される。また乳酸の一部は分解されて二酸化炭素と水になる