前回のあらすじ。     ガンマもらった。

 

30年来の交友のある、先輩にして友人。

ヒゲのオジサンとガンマをサルベージして参りました。

書類無しの状態で引き取り、3年以上も放置されていた車体。

屋内保管でしたが、やはり劣化は酷いものでした。

よく見ればラジエターがラウンドタイプの謎車種が付いている。

サイドカウルが無いのは、ラジエターが大きくて干渉してしまったようです。

フロントブレーキのマスターシリンダーも社外品。

 

まぁ、貰った物に文句を言うのは贅沢。

この言葉を後に何度も言う事になるとは、この時は想像もできませんでした。

 

気を取り直して、まずどうするか?

パーツは出るのか。

エンジンはかかるのか。

エンジンがかからなければ、手の付けようがありません。

燃料タンクを開けてみました。

いつもの腐ったガソリン、鼻の奥に残る臭い、それを考えながら鼻を近づけると。

臭くない。少々気が抜けた感じではありますが、ガソリンの臭いです。

「もしかしてかかるんじゃないか?」ヒゲのオジサンが言いました。

燃料コックを捻ります。漏れもオーバーフローもなさそうです。

キーをオンにしてチョークを引いて、キックペダルを踏みました。

驚いた事に3回目にして、あっさりエンジンが回ったのです。

 

非常に驚きました。

こらなら何とかなるのではないか?

しかし、まだ腑に落ちません。

テールカウルは2型ですが違和感が。

シートの合いがおかしい。

フロントブレーキは対抗2ピストン。

もしかして1型だったのに、何らかの理由でテールだけ2型にしたのか?

車台番号を確認すると、さらに驚愕の事実が。

2型のシールが見えたのです。

 

私は激しく動揺しました。

この子は1型の子なのか、それとも2型の子なのか。

私はどちらの子として育てて行けば良いのだろう。

 

その時に脳裏に浮かんだのが、少年だった頃の思い出、あのカクカクしたグリコの

オマケのようなデザイン。

あれこそが私が淡い片思いを寄せていたガンマなのだと。

私は決心しました。

この子を1型の子として育てて行こうと。

 

そして家に連れて帰り、水洗いをしてあげました。

貰い物に文句を言うのは贅沢。

この言葉を呪文のように繰り返す事となるのでした。