贅沢な侵入空から根こそぎ星がこぼれると、人はそれを雨と言う。雨は物理的ではない硬度を持ち、見上げる瞳の像を見つけては次々に砕いて行く。パリン、と小さな音を合図に。ガシャン、と大きな音を最後に。二重窓で仕切られた心象の温室に、雨は贅沢にも侵入するのだ。やがて像が月だけになると、雨はようやく静かになる。そして瞳は足元に散らばった無数の雨を見届ける。色のない小さな粒と、砕かれた鏡像の果て。ぷかりと浮かぶ月を真似て。瞳はそれを、砂漠と名付ける。