バトンタッチして武藤です。
モアブの宿選び、大失敗した責任は完全に私にありました。
最初はこちらのグランピング?的な宿を予約していたんですが、
モニュメントバレーのビューホテルがあまりに高額なことに怯んで、その前の宿をもっとケチりたくなり、
↑こっちに変えてしまったの。
レビューとかみるとこちらのほうが微妙に点数高かったりしたし、写真から察するに施設的にあまり変わらないのに、値段は半額以下だったから。
・・・これが失敗だった。
私、世界40カ国以上を回り、5ドル以下から五つ星までありとあらゆる宿に泊まったことあるけど、ここほど最悪な宿はなかったわ。
とにかく寒い!
まだ9月だし、夜だとて砂漠だから地熱が残っているはず、、などと考えていたのが甘かった。
おそらくテント内の気温は10度を切っていたはず。
寒いと全然眠れないのよ、やっぱり。
狭苦しいひとつのベッドで加藤さんとくっついて眠ったんだけど、そうすると今度はベッドが狭いの。
ベッドというか、足がついた担架みたいなものなんだけど。
シーツも布団もなにもなくて、たんなるむき出しのキャンパス地。
寝心地悪いったらない。
そして加藤さんのほうが私より一回り大きいから後ろから抱きしめてもらって眠るんだけど、そうすると全身が痛い、息苦しい。
そう、この旅行が始まる当日に私、電動キックボードで線路を渡ろうとしてすっころんで全身を強く打っているのね。
当日よ!当日。
バウンドする勢いで思い切り地面に叩きつけられたという。
フルヘルメットかぶってなきゃ死んでたかもってくらい。
一歩間違えればこの旅行自体がナシになるところでした
↑ちなみに、電動キックボードに乗るなら、このEVA初号機みたいなフルヘルメットおすすめですよ・・・矯正やホワイトニングをいくら頑張ったところで、歯自体が折れたら洒落にならない。
いや、大の大人が地面に叩きつけられるってかなりの衝撃ですよ。
精神的屈辱もさることながら、物理的肉体的ショックが強くて、とにかくしばらく起き上がれなかったです。
特にひどく打ったのは左膝なんだけど、全身をまんべんなく?軽く打っているから、どこもかしこもミシミシ痛いのです。
そこに巻き付く、全く脂肪のついてない蔓のような細い腕と脚、、辛い。
その固さと細さが普段は私の賞賛と憧れの対象なんだけど、こんな時にはキツイでしかない。
ぼよんぼよんした肉襦袢を纏ったデブな女だったら、どんなにいいことか(笑)
それでもその抱擁がないと寒くて凍えるという。
体温は高いからね、彼女。
私、山岳サークルに居たから、雪の中のテントでも泊まったこととかあるけど、そういう時は装備があるから楽勝だったんだわ。丸腰のまま極寒のテントで寝るのとはわけが違いました。
そして、真夜中に何度か轟音とともにすぐそばを列車が通り抜ける。
その轟音たるや、日本の電車の警告音なんかとは違ってこの世の終わりのようなうるささ。
騒音というレベルではなく、ヘリコプターかなにかが至近距離に墜落してきたんじゃないかってくらいの。
もうね、眠るどころではありません。
大げさに言えば、私が自ら自分たちに拷問を課してしまったというか。
たとえばこれって昔の拷問なんだけど、、(久生十蘭「ノア」より)
【現代語訳】
-
手や指を長時間動かせないように固定する
-
体の一部に強い刺激を与える処置をする
-
胸を圧迫して呼吸を苦しくさせる
-
濡れた服のまま寒い場所で長時間立たせる
-
水を使って息ができない状態を繰り返す
-
電気を流して強い苦痛を与える
電気責めの代わりに、これに「命の危険を感じさせる」轟音が加わった感じ?
この拷問、助手席でふんぞり返るだけの私はいいけど、2000キロを運転する任務がある加藤さんにとっては、致命的な打撃になったと思います。
本当に本当に申し訳ないことをしました。
無用の負荷をかけてしまった。
ただ、朝起きたら、広々とした平原に金色の朝日が射し、遠くの岩山が照り映え、神々しいくらいに光る鹿がいて、実は美しき原野の景色ではありました。
鹿はこちらではmule deer と言われるオグロ鹿だと思います。
大草原で湯気をたてながら悠々と放尿してて、その恥じることのない素朴な生理現象を見ると、地獄の一夜が終わったのもあいまって、少し癒されました。
・・・と、ここで気を抜いたのがいけなかった。
ガソリンを入れようとしてふと通りかかった変な店に入ってしまうのですが、、宇宙人をモチーフにした変なデコレーションはいいとして、ここ、意味もなく相場の二倍くらい高かった。
そう、せっかくの節約したぶんがこれで相殺ってことで。
くっそう、こんな宿に泊まらなければぼったくりガソリンスタンドに吸い込まれる羽目にもならなかったのに。
金銭的に得をしたわけでもなく、ただただ、寒さに苦しむ夜を過ごしただけということになり、ほんと残念でした。
気を取り直して、デッドホース州立公園へ。
https://stateparks.utah.gov/parks/dead-horse/
ここは州立公園なので、国立公園パスは使えず、20ドル払います。
そこから突端までひた走ると、絶景スポットへ。
コロラド川の浸食が作り出した複雑な峡谷、こげ茶に紫が混じるような金属的な色彩。
グランドキャニオンなどよりも色調が濃くて、雄大かつ渋い感じ。
マールボロのCMやミッションインポッシブルの舞台に選ばれた、というのも納得しました。
パスが使えないせいか、とにかく人が少ないのもいいですね。
ここに来るのはかなりの酔狂。
次はキャニオンランズ国立公園。
ここでついレンジャーの口上にひっかかってかなり時間をつぶしてしまった。
moab faultのギャグとか面白かったけど。
(*断層と落ち度をかけている?私ならさらに断層と男装をかけるかもね)
https://en.wikipedia.org/wiki/Moab_Fault
加藤さんは私以上に英語のヒアリング能力があるので、ちゃんと笑ってて、嬉しかった。
余りにも英語できないと、本人もつまらなそうだし、辛いだろうからね。
それから、念願のメサ・アーチトレイルへ。
石の弧に切り取られるだけで、雄大な景観がぐっと引き立って見える。
発狂したような不思議な枝ぶりの樹木が生えているトレイル自体も短いながら、面白かった。
そこからあちらこちらの展望台を目指してさまようが、結局閉鎖されていたりして、撤退。
遅ればせながらアーチーズへ向かう。
途中、モアブ断層の部分があった気がするけど、見ている間もなくアーチーズ国立公園に入る。
加藤さんは入り口近くの「たいしたことないスポット」で止まりがちなので、私は焦燥感にかられる。
だって、午後からの入りでそもそも遅いわけで、よりダイナミックな大物アーチに割く時間が無くなるじゃんね。
私はここ来るの二度目だから、時間配分が危ういことを知っているのだけど、加藤さんはなんかのんびりしているの。
だから案の定、結果的にアーチーズは「ダブル」と「サンド・デューン」しか回れなくなるんだけどね。
普通は二つだけ選ぶなら「デリケート」と「ランドスケープ」に行くものだけど・・・加藤さん、見なくてよかったのかな?
でも自然の造形って凄いから、結局どのアーチを選んでも満足はするんだと思う。
私も一緒に見た「ダブル」と「サンド・デューン」は忘れないと思うな。
ダブルはなんか下からみた「ぱんつ(加藤さんは女のぱんつのことをパンティと呼ぶ。私、パンティという音声を生まれて初めて聞いた気がする。)」みたいで面白かったし、サンド・デューンは本体はムクムク太っていてちょっと私の好みではないのだけど、岩の間の隘路を通り抜けてたどり着く趣向が楽しい。
でもやっぱりアーチって細くて巨大なほど好ましいかな、岩でできた虹、といった態の。
崩れ落ちる寸前のような危うさに心奪われる。
名残惜しいながら、夕方までにモニュメントバレーに辿りつきたいので、先を急ぎます。
有名なフォレスト・ガンプスポットで写真撮影。
私、意外と(?)この映画好きです。
ダン隊長がいいよね、この俳優さんの「二十日鼠と人間」も好きだった。
写真を撮ってから、ホテルにチェックイン。
なんか受付の女性にアジア人差別的なものを感じたけど(白人に対するのと口の利き方が違う)、それって彼女がネイティブアメリカンだから余計にショックだったのかもって今は思う。
相手もポカホンタス顔から差別されるわけがないという無邪気な思い込みが裏切られた、的な?
向こうからすれば向こうはれっきとしたアメリカ国籍様で、こちらは極東からの観光客というだけで、一派一からげにバカにされて当然なのにね。
とにかく私は舐められやすい容貌のアジア人であり、白人だろうが黒人だろうがインディアンだろうが日本人だろうが、初見でバカにしてくる人はいる、ということです。
とにかく煩雑なチェックインを済ませ、あちこちのテラスから夕陽を眺め、写真を撮る。
人生で見た夕日の中でも最高の部類だったと思う。
ブルーからオレンジへのグラデーションがこの世のものとも思えないほど美しい。
こういう時に使う単語はEtherealというらしいと学校で習った。
夕食は、ほかに選択肢がないのでホテルで。
私はアリゾナフライドチキン、加藤さんは豚肉の辛いスープを頼みました。
ナバホの居住区ってアルコールないのね、、ちょっと残念だった。
チキンもスープも美味しかったけどね。
シルバーウィークだったせいか、日本人客が沢山居ました。
最近アメリカでも中国人ばかりだから、ここまで日本人が多いとなんかうれしい!
バブル期みたい♡(知らんけど)
そして今日こそは、一泊6万円強の高級ホテルなので広いベッドでゆっくり眠ります。
というかなぜかこの日、私の夢Bプランをベッドの上でとつぜん語った気がする。
それは加藤さんと軽バン専用の民泊を経営すること。
プランAはアメリカで暮らすことだったんだけど、ダメならRVパーク的なものを経営するのはどうか、と。
なぜこの夜この場でそれを語りだしたのかは全く分からないけど、私の中では結構前から温めていたことだった。
加藤さんはいつものように素直に聞いてくれてはいたけど、内心どう思ってたのかは今となっては分からない。。
デッドホースポイント
キャニオンランズ国立公園
アーチーズ国立公園
モニュメントバレーを通りながらビューホテル
























