鹿児島には熱い人がいた!~伊佐市のゴミ袋について | コギト/エルゴ/スム

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適当にダラダラとグダグダと

ものすごくものすごくものすごーく
久しぶりの投稿でございます。

僕は今、旅行で鹿児島に来ておりまして、今夜は鹿児島県の伊佐市に泊まっております。

今晩の宿はホテルでも旅館でも無く、友人のつてでありがたい事に、とある食堂の一室をお借りして宿とさせて頂いています。

なんで今まで散々ブログの更新をサボっていて、なんならアメーバのIDすらも忘れていた奴が急にブログを再開させたのか。

それは是非紹介したい方がおり、こうして筆をとるならぬスマホをとった訳でございます。

皆さんは伊佐市というところをご存知でしょうか?

伊佐市は鹿児島の北部に位置する平成の大合併で出来た比較的新しい市で鹿児島の北海道と呼ばれる程に冬は寒く、その為にメチャクチャ星が綺麗でとにかくお米が美味い!!
と、あとの情報は是非ともwikiを見て頂きたい。
何故ならば伊佐市の全てを語れる程の情報を僕自身が把握していない事と、今回のブログのテーマと少しだけズレてしまうからです。

今回僕が紹介させて頂きたかった事、それは今現在僕が泊まらせて頂いている食堂のご主人の事なのです。

友人からはそれとなく色々と前から情報を貰っており、是非お会いしてみたいと思っていた方なのですが、今回ようやくそれが実現しまして実際にお話しを聞くことが出来ました。

友人からは食堂のご主人ながらとにかく伊佐市を良くしようと活動をされている方とそれとなく聞いていたのですが、実際にご本人にお話しを聞くと本当に伊佐愛が強い!

ここでお聞きしたいのですが、あなたの地域のごみ袋は何色ですか?
東京人の僕からしたらゴミ袋は半透明です。
地方なら自治体が指定しているゴミ袋は大抵は赤とか青とか黒とかに自治体の名前が書いてあるくらいのデザインでは無いでしょうか。

ところが伊佐市のゴミ袋は…。




こんなにカラフルなのです!
一つ一つに伊佐市由来のテーマのイラストが描かれているんですよ!
こんなデザインのゴミ袋を他の地域で見たことありますか!?
僕は無いです!

これを見たら伊佐市はユニークな土地なんだな、と思われるかも知れませんが。
これ…市が考案した訳じゃなくて一人の一般市民の思いつきからスタートした企画で。
その一般市民の方が今回僕が泊まらせて頂いている食堂のご主人なのです!

この方はある日街を歩いていて、道に沢山のゴミが落ちている事に気づかれたのです。
観光地として名高い鹿児島県、それぞれの市が観光客を呼ぼうと色々と計画を立てています。
伊佐市も例外では無く観光客招致に力を注いでいました。
でも、観光に訪れてその街がゴミだらけだったら…正直ガッカリしますよね。ただその街にも人は生活をしていて、人が生活すれば当然ゴミも出ますよね?当たり前です。
では街の人が出来ることから始めよう!
「人呼ぼう!の前にまずはゴミ予防だ!」
と、考えられたそうです。
ちなみに僕は仕事でライターをしていてキャッチコピーも考える事があるのですが、このセンスは素直に脱帽しました。

そしてちょうど町と市が合併するタイミングをチャンスと捉えて(因みにこれについても町と市が合わさるのだから「超幸せ(町市合わせ)」と言うプロ顔負けなコピーを考えられています)伊佐市の名前で作り直さなきゃいけない物がある、ゴミ袋だ!と独自の着眼点の発想をされました。
まぁ、発想をする事が出来る人なら探せばいると思います。
ただ、この方の凄いところはそれを早速実行に移し実際に動かれたところなんです。
難病を抱えた子の絵に惹かれて伊佐市の特産品などの絵を描いて貰って、そのデザイン案を伊佐市長に直接持っていき提案をして伊佐市長はそれを快く受け入れてくれたそうです。
でも、市長がOKを出したからと言ってそれがスグに実現しないのが官公庁の…悪く言えばお役所仕事の厄介な所なんですね。
でもその人は決して諦めることなく、それから一年間をかけて役所に遂にゴミ袋を上記のデザインに変更する事を認めさせました。
一人の一般市民の情熱が大勢の人を動かして基本重い腰の官を動かしたのです!
今現在、伊佐市内では水玉や桜柄などのゴミ袋がコンビニやスーパーなど至る所で販売されています。
これって実は凄い事で、水玉のゴミ袋があるのって世界でも伊佐市とニューヨークだけなんだそうです。
そして伊佐市の道端には今はゴミでは無くて可愛いゴミ袋がゴミ捨て場に沢山並んでいるそうです。そんな光景が広がるってとても素敵な事ですよね!

そして、これでめでたしめでたしとしないのがこのご主人の更に凄い所で次に目を付けた所が…




そう、ご存知桜島です。
桜島は毎日の様に小規模な噴煙を上げていて、その灰はその周辺に降り注いでいます。
そうなったら当然の如く周辺の道に灰が積もります、それを鹿児島の人達は掃除して降灰袋(今は灰を克服すると言う意味で克灰袋と言うそうです)に集めてそれをゴミの要領で集積場に出しています。
その克灰袋が…




…正直味気ないですよね?

そこでご主人は思ったそうです。
「この黄色い袋が桜柄になればな」
と。

その理由は三つあって。
一つは鹿児島~大阪間を結ぶ新幹線の名前が「さくら」である事と。
二つは桜島から出る灰を入れる袋な事。
そして三つ目が、おとぎ話の花咲かじいさんが灰で桜を咲かせたから。
この三つ目の発想が非常に素晴らしいと思いました、ご主人いわく実現したなら降灰の度に山積みされるのは味気ない黄色い袋では無くて桜の花の袋になる、つまり灰を掃除する一人一人が花咲かじいさん、花咲かにいさん、花咲かねえさんになるから、観光の街鹿児島で観光客を迎えるのが綺麗な桜の花の山になる、それを見て観光客も笑顔の花を咲かせられる、と考えられたからだそうです。
克服するのではなくて楽しむ、と言う事を願って名前も「克灰袋」から「桜灰袋」になればいいとまで考えて、一年中噴煙を上げる桜島が一年中鹿児島に桜を咲かせ続ける、と。
なんて素敵な発想じゃないですか!?

そしてご主人は実際に動かれ、伊佐市の枠を飛び越えて鹿児島市などに提案をされました、そしてそれは議会で議題にまで上がりました。
しかし、ここでもまた官の重い腰が中々上がらないそうです。
保守的になる事は簡単です、今までの事を何も変えなくてよい=新しい仕事をしなくてよいからです。でも、そこからは革新的な事は何も生まれませんよね。
そんなのつまらなくないですか?
諸外国に明治Revolutionとまで言われた明治維新の立役者となった鹿児島にこそどんどん新しい事に挑戦して貰って、伊佐市をモデルケースに鹿児島全体が動き、鹿児島がモデルケースとなって日本全国にそれが飛び火して行ったなら…鹿児島は再び維新の立役者です!

一人の一般市民の発想がやがて日本中の道をカラフルにする。
「どうせ何も変わらない」と閉鎖的になってしまっているこの国で…それが、今まだこの日本で一般市民のアイデアが官を動かす事が出来る、これって本当に素晴らしい事だと思うんです。
勿論そこに向かうまでに解決しなければいけない問題は沢山あるでしょう。でも日本人はまだ夢を見ていい、その為に動いてもいいんだ!と一人一人が思えたなら、元気の無くなった日本にまた活気が戻ると思えます。
僕はそう信じます、信じたいです。
ほんの些細な事でも良い、まずは動かなければ何も始まらないのだとご主人の熱さとその背中を見て学べたような気がします。
それだけでも鹿児島まで来た甲斐はありました。
今晩はとても素敵な夜になりました。

因みに、本業は食堂経営のこのご主人が作る料理は本当に鹿児島の素材を活かした絶品な料理ばかりで尚且つボリュームもあり、この料理を食べる為にまた鹿児島に来たい!!伊佐市に来たいと思わせられる程にとても美味しく見た目も美しい料理でした!!

 


最後にこんな熱いご主人がやってらっしゃる、こちらのお店の紹介をさせて頂いてこのブログを締めさせて頂きます。




お世辞とかじゃ全くないです。
僕のライター生命を賭けてもいいです。
本当に美味しいです!

鹿児島においでの際には少しだけ足を延ばして、さつまや食堂さんに、そして魅力溢れる伊佐を満喫して行かれることをオススメします。