西条七十君推薦の『シネマ・4』より
アマゾンにて『ジュリア』を入手
昔のように仕事終わりの真夜中に視聴した
ジュリアは執事がいるような裕福な家庭環境で育ち幾分高慢でこまっしゃくれてい
リリアンをもまるで妹のように扱う 俺にはそう見えた
比べてリリアンは優秀だが従順な子供らしい少女 幼馴染をなんの疑いも無く信じ
愛している
昔も今も同じで活動家というのは自分は絶対正しく目的達成のためには他者の犠牲もいとわない ファシズムへの抵抗とは言えど反体制派の活動家に変わりない
ジュリアは「断ってもいいのよ」と言いながら「臆病を極度に嫌う性格」「時には能力以上のことに挑む癖がある」とヨハンに伝えているし リリアンならきっとこの困難な依頼を受けてくれると確信していたはずだ
ベルリンで二人が再会するシーンだが
「よかったわ」「感激だわ」と言ったジュリアの瞳に涙はなく「物は手に入ったわ 任務完了 御苦労さん」俺にはそんな恐ろしげな表情に見える
ジュリアは従順で妹のような幼馴染を容赦なく利用したのではないか
能力以上のことに挑みジュリアを最後まで信じたリリアンではなく
こんな悪女を見事に演じ切ったからバネッサがオスカーを受賞したのだろう
俺はジュリアの表情が怖くて夜中の二時を回るというのになかなか寝付けなかった
が 良く出来た好きな匂いのする映画であることは間違いない
と生意気に綴ってはみたものの
以前BSでたまたま観た藤沢修平原作『山桜』 読んで知っていたのに
ラストシーン 田中麗奈と富司純子が阿吽の演技に涙が止まらなかった
そんな俺なんかの批評など何の価値もありはしません 観方は人それぞれだね
これを教えてくれた七十君に感謝 他もおいおい観ていこう