佐藤先生がつい先日 王将のタイトルを奪取された 無冠返上だ
やっぱり 佐藤先生はタイトルがよく似合う
なんたって 元名人だからね
佐藤先生が名人のころと言えば まだ 藤井システムが猛威をふるっていた
藤井先生が竜王の時代だ
バリバリの全盛期だ
だれも怖くて手つけられないほどだった
そのころ オレは佐藤先生と話しをしたことがある たしか 羽生VS藤井の解説会でのときだ
佐藤名人) どなたか藤井システムを攻略するいいアイデアお持ちの方いらっしゃいますか?
なにかないものでしょうかねえ
オレ) 「7五歩」はどうでしょうか 藤井システムの要である「桂」を跳ねさせない様
「7四歩」を突かせず 早期に潰すというのは
佐藤名人) なるほどー それはあると思いますね しかし 7六の空間が空くのが気になりますよね
オレ) ええ 将来 さばき合いが落ち着い後 桂打ち込みの傷になるでしょう
しかし その代償払ってでも やる価値はあると思いますよ
なぜなら 一旦ではあるが確実に「居飛車穴熊」に組めるわけですから
中盤の段階で桂打ちがあったとしても 金2枚残るわけですから
場合によっては 「7四歩」「同歩」と敵にいやみをつけながら
「7七歩」と傷を消す手も考えられる
佐藤名人) なるほどー ないことはないですね たしかに
たしかに 有力だと私も思いますね ただ やはり
う~ん どうかな 実際
オレ) 先生! 藤井先生との対局で是非やっていただきたいですね
佐藤名人) いやー 実際にはやりませんね 有力だとは思いますが
オレ) そうですかー
解説会終了後 あーあ なーんだ やっぱり やらないのか 残念だな
しょうがないな ちょっと無理気味な戦法だもんな
オレだって実際やるとなったら怖いしな
7六が空くのは変な形だしな
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しかしである それから 2カ月後 佐藤名人VS藤井竜王の対局で
なんと「7五歩」が実際に指されたのである
その戦いはまれにみる激闘で深夜までもつれにもつれこんだ
逆転 また逆転 また逆転 結局 激闘を制したのは佐藤名人
230手を超える長手数の対局は終了した
「7五歩」は後にも先にもこの1局のみとなった
佐藤名人が実際に勝ったから オレも自慢話しできるわけである で 話しはここで終わりじゃない
それから数カ月後 佐藤名人は「藤井システム潰し」の本を出版された(記譜が残っている)
アマチュア五段ごときオレの戦法を実際 時の名人に採用していただいたこと しかも勝ったという事実
いまでも感謝いたしております