宝くんが新聞専売所辞めた 宝くんは集金業務もやってたんだけど 時間を取られ過ぎるという理由で 当然 アパートから出て行った その宝くんが住んでた部屋にオレが住むことになった 以前とおなじ 風呂なしの長屋アパートにはかわりないんだけど 場所は住吉大社のすぐ隣 その長屋アパートに 30才ぐらいの男の人が住んでて たまに その人の部屋が開けっ放しにしてあって なかのぞくと 本がぎっしり 足の踏み場もないぐらい たまに 近所の銭湯であうと こんにちは!ってあいさつしたりして 特に話ししたりするわけじゃなかったんだけど そのころのオレは本読むのが好きで 流行ってたのが 栗本慎一郎の ”パンツをはいたサル ”というタイトルの本 この本はおもしろかった ベストセラーだった ただねえ 栗本氏が ちょっと調子に乗ってかわかんないけど 次に出した本が オカルトっぽいというか ちょっと表現しにくいんだけど へんな内容の本だった でも その変な本にオレははまってたわけなんだけど で またある日のこと 銭湯でおなじ長屋アパートに住んでる30才ぐらいの例の男のひとにあって その本の話ししたら 突然 大声で そんな本読むな!って言われて それはおかしいぞ!って言われて まあ とにかく 風呂屋のなかでだから ビックリだよ いっぱい客いるわけだから まあ しかし それがきっかけで飲みに連れてってもらった そんとき 初めてわかったんだけど その人の職業がコピーライターだって知った 博報堂の社員だったかな そんときはフリーだったか ちょっとわすれたけど 出身はたしか東京の人だった 年収が800万で 豊中にマンション買っちゃったよう なんて 言ってた その人は 西の ”糸井重里 ”みたいな人で 関西のTVコマーシャルはこの人が作ってた オレもコピーライターになりたいって言ったら ”君は絵心があるかね? ”って聞かれて ”絵心って何ですか? ”って聞き返したぐらいだから 全然話しにならなかったんだけどね まあ しかし オレ いろんな分野のトップクラスの人と出会うんだよな これは ちょっと自慢かなあ いま いろいろ過去のこと回想したりして ブログとか書いたりしてっけど あの時代に ”Wikipedia ”があったらなあって思うよ よくこんな便利なツール考え出したな 天才だよな とにかく オレは よく 天才に出会うよ