商標登録 -2ページ目

商標登録を受けようとする商標

願書には、商標登録を受けようとする商標を記載する必要があります。

商標登録を受けようとする商標というのは、出願人が権利化を図りたい商標のことです。

商標登録を受けようとする商標が、立体商標であるときは、その旨を願書に記載する必要があります。

願書に記載された商標登録を受けようとする商標だけからは立体商標なのか通常の平面商標なのか区別できないからです。

立体商標である旨の記載がない場合には平面商標として扱われます。
立体商標というのは、立体的形状(文字、図形、記号もしくは色彩又はこれらの結合との結合を含みます。)からなる商標をいいます。

たとえばケンタッキーフライドチキンのカーネルサンダース人形などが立体商標といえます。

また、商標登録を受けようとする商標が、標準文字であるときもその旨を願書に記載する必要があります。

願書の記載からだけでは、標準文字からなる商標なのか通常の商標なのか区別できないからです。

標準文字とは、特許庁長官があらかじめ定めた一定の文字書体をいい、登録を求める商標の構成が文字のみであって、その態様に特別の権利を要求しないときは、この標準文字での出願が可能です。

なお、標準文字である旨の記載があっても、願書に記載された商標の構成から標準文字と認められない場合には、通常の出願として扱われますので、注意する必要があります。

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商標登録

商標を守る

商標には、その店の信用が蓄積されていますから、その店の信用を守るということは商標を守るということになります。

商標が有名になってきますとその信用にあやかろうと他人の勝手な使用が始まることがあります。

そうなるとその店の信用は毀損されます。
本人がいい加減な使用をしても信用は毀損しますが、これは本人のしたことですから仕方ありません。問題は、他人の勝手な使用です。

この場合、いくら他人に使用するなといったところで、何の強制力もなければ言うことを聞いてもらえないおそれがあります。

もちろん、自分で考えた結果、たまたま同じ商標になったということもあると思います。

このあたりを考慮して、商標法では、商標を登録して公示することにしています。

商標は登録されると商標権という権利を発生させます。この商標権は、他人の勝手な登録商標とその登録商標に類似する商標の使用を排除することができる権利です。

そして、この商標権を発生させるためには、一定の要件が求められ、その要件の審査を受けるために商標登録出願を行います。

出願をし、審査を受け、審査にパスしたら登録されることになるわけです。商標登録を受けますと商標権が発生します。

この商標権が侵害されますと、商標権者に差止請求権、損害賠償請求権、不当利得返還請求権などの権利行使が認められ、また、信用回復のための措置(たとえば、新聞への謝罪広告)等が認められます。

差止請求権は強力な権利であり、これが認められると商標の使用ができなくなります。それが会社名であっても使用できなくなることがあります。

会社名が後になって使用できなくなる(「商標として」ではありますが)のですから、大変なことです。

もっとも、登録を受けなければ全く商標が守られないかというとそうではありません。

不正競争防止法という法律で保護を受けることができる場合があります。

しかし、二つの法律がある以上その保護の仕方に相違があるのは当然です。

結論から言いますと、商標登録出願をし、商標登録を受けておくべきと考えます。

詳細はこちらから→ 商標登録

商標出願をするときには

商標出願は特許庁に対して行います。
同じ商標について別々の者により商標登録出願があった場合、早く願書を特許庁に提出したものに商標権が与えられます。

商標の使用を早く始めたものではなくて、先に願書を特許庁に出した者が勝つ点に注意が必要です。

たまたま同じ日に同じ商標について出願申請があった場合には当事者の話合いでどちらが権利者になるか話し合います。話し合いがまとまればそれでよし。

交渉決裂の場合にはくじ引きでどちらが権利者になるかを決めます。

権利についてくじ引きで決めるのはおもしろいですね。

ちなみに特許出願の場合はくじ引きによる調整手続きはありません。当事者同士の調整が不調に終わった場合には当事者同士の特許出願は拒絶査定がなされます。

特許庁では毎年10万件を超える出願申請の全てを審査していて、商標権は毎年10万件程度成立しています。

最近ではずいぶん審査も早くなりましたが、やはり商標の審査には半年から1年はかかります。

商標に関する詳細はこちらから
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商標登録

商標登録を受けるための条件

商標登録を受けるために、商標が最低限備えていなくてはならない条件が定められています。
この条件のうち、重要なものが商標法第3条第1項に規定されています。

第3条第1項では、自己の業務に関係する商品とか役務とかについて使用しないことが明らかであるときは、原則として商標登録を受けることができない旨が規定されています。

日本では商標登録出願を行うことにより審査を経て商標登録が行われます。
この様に、商標を登録することにより商標権という権利を発生させる制度一般の考え方を登録主義といいます。
日本の様に登録主義を採る国では商標登録が権利発生のための必要事項であると考えられていますので、出願する商標が実際に使用されているかどうかに関わらず、登録を受け、商標権を取得することができます。

これに対するものとして使用主義があります。
例えば米国等では、現実に商標を使用していなければ商標権を取得することができないとする考え方を採用しています。
この様に、商標権の権利発生の拠り所を商標の使用に求める考え方を使用主義といいます。

我が国は登録主義を採用していますので、商標を使用していなくても商標登録を受けることができます。
しかし、登録主義を採用する我が国の場合であっても、将来的に全く使用されないことが明らかな商標は登録を受けることができないことになっています。

一例を挙げますと法令上業務範囲が限られている出願人が、その業務範囲外の商品等について登録を受けようとした場合があります。これはたとえば御社が銀行業を営む場合に化学品や飲食物の提供等について商標登録を受けようとした場合があてはまります。

銀行業は銀行法という法律で化学品や飲食物の提供等の業務を行うことが禁じられていますので出願された商標を使用することが不可能であると考えられます(銀行法第12条)。

この様な場合は、「自己の業務に係る商品又は役務について使用しないことが明らかである」として、法令上、商標登録を受けることができません。

また、例えば、弁理士、税理士、会計士、弁護士等にしか法律上許されていない業務について一般の会社が商標登録出願を行った場合についても、同じ理由により商標登録を受けることができないのです。法律によりその業務を行うことがそもそも許されていませんので、商標を使用することができないからです。