数年前、小さな会社の役員となり、また、父が亡くなり、母との同居。。

認知症となった母の介護など乗り越えながら、改めて神仏と触れ合う機会をくれたのが、

桜井識子さんだったりします。

その前に、「見えない世界」は、ぜんぜん興味なく、耳も傾けませんでしたが、会社のパート

さんとのやり取りから、見方が変わりました。。

そのきっかけは、また後程。

 

今回は、東京は、根津神社での出来事。

文京区本郷は、母が初めて東京へ上京した地。またほのかな恋心を育んだ場所だと、

よく「恋バナ」してくれたところです。

 

識子さんの書籍でも紹介された、根津神社も本郷からはすぐ近くにあるお社。

お花のきれいな時期もありますから、当時、デートで訪れているかもという想いもあり、

母が、亡くなった二年間前頃から、ひとりで年に数回、参拝させてもらっています。

 

そんなある日。いつものように参拝に訪れ、境内社の駒込稲荷様へのお参りが終わり、

庚申塚へ向かおうとした時、その庚申塚で、塚を撫でて、一生懸命に拝んでいる80歳を

超えているだろう女性が目に入りました。

何やら、お供えされている、お水のコップを手に取り、口にもっていく仕草をしたり。。

私も、庚申塚にお参りするルーティンのため、近づくと、女性から声をかけてきました。

 

幼い頃から、この神社へお参りしていること、昨年秋から体調崩した旦那さんが、この春に

他界されたことなど、お話されました。。

もちろん私も、なぜ、この神社にお参りに来ているかも話し、杖をついているにも拘わらず、

その女性は、お話することに夢中でした。

内心、同じお話を繰り返してくるようになったので、女性の体も気遣い、私もそろそろ飽きて

きたので(笑)、「では、ご主人のために、庚申塚へお経を唱えますね。」と、般若心経を

唱えることにしました。

はじめ、えっ?ときょとんとしてた女性が、私が暗記している般若心経を唱え始めると、

しっかり合掌されて目を瞑ります。。

 

唱え終わると、マスク越しでもわかる、女性の嬉しそうな瞳が今でも思い出せます。

「ありがとう!お会いした時から、普通の方ではないと思ってました!ありがとう。」

そう言葉を頂き、またこの地で会いましょうとお別れしましたが、はじめに見かけた後ろ姿は

とても寂しそうな丸い背中だったのが、別れる時には、しゃきっとした背筋で杖をついて

歩いて行かれました。

 

空海さんは、生きている人をも癒すとおっしゃったと、桜井識子さんはブログに書かれてました。

今回、はじめて、他人様へお唱えしましたが、まさにその通りだと実感した時間でした。

 

また、母を想い、お参りした駒込稲荷様が、同世代の女性とめぐり合わせてくれたのだと

今も、思っています。

 

この女性へ感謝。また根津神社の神様、稲荷様にも感謝のお参りでした。。