満員電車で帰ってる途中、

あたしはオッサンの後ろに立っていた。


そのオッサンは

満員電車の中、立ったままブログを書いていた。


覚束ない速度で、
文字を打つのはあたしの10分の1くらいの速さで。


そのオッサンは、少々ハゲていた。

見かけも平社員です。的な。

どこにいてもモテないタイプで、

休みの日は一人で競馬に行ってます、的な。


そのオッサンのブログのタイトルは、

「最近のボク」。



誰も「最近のキミ」なんて

興味ナッシーンです。




見たんじゃないよ。

見えただけ。


健三を包む全てが
優しさで溢れますように。

あたしの生きる世界が
光で満たされますように。




きゃー!

もうこんな時間…!


何もかもうまく行く時ではなく

なにもかもうまく行かぬ時にこそ

人は大切な存在に気づくらしい。




うしろばかり見てたら明日が悲しむから

人は前に進むしかないらしい。




あたしとの約束を忘れるくらい

夢中になることが

人には、世の中には、

あるらしい。



あたしにとっての約束は、

そんな浅薄なものでは

ないんだけどな。