勘違いするよ。
そんな言葉でふいに優しく包むなんて。
他の誰かにも同じように言ってることは
わかってるんだけど。
けど、
あたしはニヤニヤしている。
そんなニヤニヤしたあたしを
あなたも想像したでしょ?
すごいね。
お互い知り尽くしてる。
最近は
眉間にシワが寄りすぎて、
一気に老けて行く気がした。
メロンパンにゃのヒョロヒョロパンチが
危うく出るとこだったゼ。
でも今日は
口角が上がったまま
いい夢が見れそうよ。
単純やな、あたしって。笑。
扱い方が簡単でしょ。
こんな素直なヤツ、他におらんよ。
健三の一言で
天国にも地獄にも行けるよ、あたしゃ。
こんな単純なあたしを
いつまでも見離さないでね。
ところで。
忠犬ハチ公の話を知ってるかい?
なぜ渋谷駅にハチ公の銅像があるか。
ハチは心の優しい旦那様に拾われた。
それから、散歩、買い物、出かける時はいつも旦那様と一緒。
旦那様の仕事の時も、
一人おとなしく旦那様の帰りを待ち、
旦那様が帰ってくれば、
嬉しくていっぱいいっぱいはしゃいだ。
ハチは旦那様を尊敬し
旦那様はハチを心底かわいがった。
ある時、旦那様は
用事のため少し遠くに出かけることになり、
電車に乗れないハチを渋谷で待たせることにした。
『いいかい、ハチ。ここで待っておくんだよ。私は必ずハチのもとに帰ってくるからね。じゃあ、行ってくるからね。』
けど、旦那様は帰って来なかった。
出かけた先で、病気で亡くなったから。
けれど素直で旦那様を尊敬しているハチは、
何日も何日も旦那様の帰りを待った。
旦那様が、必ず帰って来るからねって言ったから。
雪の日も雨の日も、お腹がすいても。
何日も何日も。
旦那様が帰ってくるのを信じて。
そしてそのままハチは渋谷駅で
亡くなった。
素直で純粋で、まっすぐに旦那様を愛すハチは素晴らしい!
ってことで、あの銅像が出来たんだね。
忠犬ハチ公。
あたしと健三の私生活に
どこか似ているね。
ハチは健三、旦那様はあたしってとこかな。笑。
え?逆?
じゃぁ、
時々は散歩に連れて行き、
時々は甘い言葉のエサを与えてね。
そしたら、
あなたが死んで
あたしの元に帰らなくとも
あなたが待てと言えば、
あなたを信じて
忠犬ハチ公のように
銅像にさせられるまで
あなたを待つワン!
けど、来世で一人で銅像になるのは
さみしすぎるから、
あなたも隣で銅像になってね。
くっついたまま、
離れたくても離れられないよ~!
いいね、いいね。
あたしは忠犬ハチ公。
旦那様の言うことは何でも聞くよ。
旦那様はあたしを拾ってくれた、
とってもとっても優しい方だから。
あたしは優しい方に拾われた、
幸せな、利口な、素直な、純粋な
忠犬ハチ公よ。
首輪の代わりにくれた、指輪。
今日はピカピカ良い輝きだよ。
てへへ。
首輪をつけてあげたのは
あたしの方だった~(^-^)
ヒモ着けるの忘れたから
四方八方に色目使って
大変だわ~、うちのワンちゃん。
最近、抜け毛が激しいね。
季節の変わり目だから仕方ないかぁ。
はい?
なんか気にさわること言った?
でへへ~
ごめんねごめんね~
浮気をしてないと旦那様が言えば
それを信じるしか脳がない。
出勤時は寂しい顔をして
首を長くして帰りを待つわ。
忙しいと言えば、
悪さをせずにお利口さんにできる。
帰ってきたら、
はしゃいで旦那様に飛びつく。
おいで。と言われれば
何の迷いもなく会いに行き、
ビール取ってって言われれば
ビールをあげる。
なんて出来のいいペットなんだ。
そんな出来のいいペットに、
旦那様はときどき褒美をくれる。
冷蔵庫にそっと、
好物のメロンがあったりする。
ときどき泣くのと、
片付けできないのは、
あたしが犬だから。かな。
旦那様、
放し飼いしないで。