あ たしのママは、
あたしが産まれた時、
泣いたんだって。
やっと産まれたって、
嬉しくて泣いたんだって。
あたしはあまり知らないパパもね、
たくさん喜んでくれたんだって。
お姉ちゃんも、
あたしの妹が1番可愛いって、
赤ちゃんがたくさん並んでる部屋で、
喜んでくれたんだって。
ママと、パパと、お姉ちゃんは、
この子にどんな未来が待っていても、
10本の手の指と、
10本の足の指が、
ちゃんと人間らしくあるから
大丈夫だねって、
ゆったんだって。
なにがあっても
守ろうね、ってゆったんだって。
でもね、
あたしの目は、
人を羨んでばかりだし、
あたしの耳は、
嫌な話ばかりを吸収する。
あたしの口は
素直に大切なコトを言えない。
それでもあたしは、
満足してるよ。
ヒビわれた指先も、足も、
カサカサの口も、
人とは違う特殊な耳も、
ついでに、心も、
これまでの人生に
ついてきてくれた体だから。