健三が東京に行く日…
あたしは健三の大きな背中を見送った。
あたしの寂しさとは反対に、
どこか希望に満ちたような背中だった。
あたしの知らないとこに行って、
あたしの知らない人と出会って、
仕事して、
あたしの知らない健三になってしまうんだなって思ってた。
東京に行ってしまったら、
あたしはポイされるんだな、
それなら最後まで背中、焼付けとこ。
って思ったよ。
涙が出たな。
となりで慰めてくれんのなら、
泣いたって無駄だなとか思いつつも、
涙が尋常じゃないくらい
溢れ出た。


あたしは東京に遊びに行った。
駅から歩いて帰る時、
歩くの遅いあたしをおいて、
健三はテクテク先を歩く。
時々、はよ来んか!って
怒って振り向く背中は好き。
少し先のほうで、
ちゃんと止まって待ってくれとるもん。
あたしはチョコチョコって走って、
いつも健三の背中を追いかける。


家に帰ったら、
健三はベッドに座って、
パソコンかたかたいじる。
あたしはちょっと疲れたからって
ベッドに横になって、
今のうち☆って思って、
健三の背中の後ろで
携帯見る。

それでケンカになって、
寝る時、
健三は背中向けて寝る。
あたしはそれでも
健三の背中を眺めながら寝るんだよ。
あと1分くらいしたら、
健三が素直になって
こっち向いて抱っこして寝てくれるって
信じてたから。
けど1分を過ぎた頃、
もしやこのまま振り向かないんじゃないかって不安になって、
たまらなく背中に抱きついてみたりする。
けど健三は、動じない。
それはすごくすごく寂しかった。

朝起きたら、
健三がまたベッドに座って
またパソコンかたかたいじる。
あたしはベッドにいて、
テレビ見ようとしても
健三の背中で見えないから、
健三の背中、見る。
あんまり仕事が長引くから、
何時に終わる?
もうちょっと。
ねぇ何時に終わる?
ん?もうちょっとよ。
って
背中に聞いてみたら
背中が答えてくれた。



健三の背中。
最近は一回り小さくなったよ。
細くなった健三の背中。
誰かさんが送ってくれた
黒ウーロン茶のせい?(苦笑)



健三さん…
あたしはいつも健三の背中を見ていたよ。
健三の背中に抱きついていたよ。
いまでも
健三の背中を追いかけてるよ。

健三の「背中」でいい。
いつも健三が
あたしの前を行ってね。
あたしの進むべき場所は
いつも健三だからね。
これからの健三の人生にも
後ろにメロンパンニャッちゃんといるかな?って
たまには振り向いて、
立ち止まってね。
ちゃんと俺の人生に着いてきとるかな?
って
振り向いてね!!
立ち止まってね!!

ちゃんと、ちゃんとよ。


いつか、
健三があたしを思い出して、
うしろを振り向いてくれるんだったら、
メロンパンニャッもちゃんとずっと、
健三を追いかけてるから。



背中でいいよ。
背中でいい。

今、目の前に
早く抱きついてと言わんばかりの
健三の背中が欲しい。


健三は素直じゃないけど、
健三の背中は、素直に物を言う。