俺は美味しいものを食べることによって、幸せに寿命を減らしていきたいと考えているので、体に悪い食べ物が大好きだ。その中でも、ここ数年よく食べ続けているベストセラージャンキーがこれだ。



ぶぶか油そば。

今回はこれの魅力について全力で語りたい。このブログを読み終わったあと、お前らはコンビニへ行き、油そばを三段積んで大急ぎで帰ってくるに違いない。以前の職場でアフィリエイトwを学んでいた俺の本気を見せてやる。


まず、ぶぶか油そばを語る上でこの迫力あるパッケージに触れることは必須だろう。自分への自信が違う。

「もっちり極太三層麺」

「マヨネーズ&濃厚だれ!」

「太麺130g」

そして堂々と輝く「売上No.1」

さらにかやくを鮮やかにまぶした太麺を持ち上げ、マヨネーズをちょこんと置いたこの撮り方。

どこをとっても抜かりがない。

「もっちり極太三層麺」なんてゴロが良すぎるだろ。俺もどうせ悪口を言われるなら「ガリガリ嘘つきクズ男」くらいの語感で言われたいものだ。

『ぶぶか 油そば』も迫力がある。3Dみたいだ。

売上No.1の上には、小さく「カップ油そば」とある。カップ油そばの商品、俺はぶぶかか日清のドデカ油そばしか知らないが、とにかく1位を獲るというのは凄いことだ。

あと今気づいたが、箱の側面にも麺が登場している。芸が細かい。カップ焼きそばとかの側面ってあんまり使われてる印象ないけど本の背表紙みたいな使い方できたのか。味だけでなく発想も上を行くぶぶか油そば。


だが、どんなにパッケージが優れていても味がイマイチではハリボテでしかない。だが、ぶぶか油そばの味はこのパッケージなど容易く超える。

特徴的なのは、かやくが大きいところ。例えばペヤングなんかは完成後にふりかけをかけるが、あれなんかは細かすぎて味はついているのだろうが後半なんかは麺の奥底に隠れてしまう。ぶぶかのかやくはとこにいてもひと目で分かる。刻んだ海苔、唐辛子、ネギなどのすべてに存在感がある。また、かやくの中には小さいナルトが一枚入っているのだが、俺は正直、最初このナルトをバカにしていた。お湯をかけず固くて小さいナルトは玩具のようで、当時はちゃちく見えてしまっていた。しかし、こいつがいざ実食となるととても愛おしく見えてくるのだ。一枚しか入ってないことによるプレミア感、守ってあげたくなるような儚さ、そしてこの麺を完成させるシンボル的な存在感。まるでクリスマスツリーのてっぺんで輝く星。俺はこのナルトを愛している。

ソースも良い。甘くて濃い、且つ、しつこすぎない。このソースだけ売ってくれたらご飯にかけて毎日食べても良い。太麺のもちっとした感触と濃厚なソース、存在感のあるかやく、そしてシンボル、ナルト。目の中に宇宙を光らせながら食べ進むと、気づけばあと一口になっている。ちゅるっと吸い込み、幸福な人生を歩めていることに感謝する。そして、少しの物足りなさとソースの飛沫を残しながら、喉と胃袋が「ごちそう様」と言う。


実家にいた頃、俺がいつものようにぶぶか油そばを食べていると母親が文句を言ってくる。

「またそんなんばっか食べて。少しは野菜も摂りなさい」

「それ箱が大きくてゴミになるからやめてくれない?」

うるさい。誰に何と言われようと、俺はぶぶか油そばを愛している。暗いニュースが流れた時も、雨続きの時も、その雨の中仕事に行く日も、いつだってぶぶかを啜ってきた。

そして、これからも啜っていくだろう。

ありがとう、ぶぶか油そば。