当然、オフィスラブや婚活目的で今の会社に入ったわけではありません。
おっしゃる事はごもっともで、私たち経理部は会社の金庫番みたいな存在ですからね、オフィスラブよりは仕事の方が大事なのは間違いありません。
でも、それはどこの企業のどんな部署でも同じ、仕事より恋愛重視を認めてくれる所なんてないと思いますよ。
ですから、私服も地味だったし、メイクも最低限しかしていなくて、お世辞にもおしゃれなヤングレディーとは言えなかったですね。
ただ、何故課長がああもオフィスラブ禁止に拘るのか、私はその理由を知っています。
理由は簡単、恋にうつつを抜かしていると仕事が疎かになるからだって。
で、ホワイトデーに届いたのが、お礼の手紙とスカーフ、そして、結婚式の招待状だったんですよね。
今年入って来たばかりの新人OLたちが、コソコソ噂しておりましたが、まあ確かにそうですね、うちの経理課長の口癖は、”絶対オフィスラブ禁止”ですね。オフィスラブ禁止、なんてハデに謳っているうちのお局様、あれは絶対自分が出来ないからああ言ってるのよ。
でも、入社当初から仕事は出来たし、バリバリ発言するので、正直、オフィスラブに感心の高い先輩OLたちからは、よくは思われていなかったようです。
オフィスラブに目覚めた課長は、ある一人の男性に好意を持ち、何とか進展させようと、益々頑張りました。
次の年のバレンタインにチョコにアプローチカードを添えて、彼女のオフィスラブはついに形を見せました。
もともと課長は4年制の国立大学を卒業していて、成績優秀だったんです。
ところがところが、意外とそういう彼女は、男性社員の注目を集めちゃったんですね。