恋鳥 -2ページ目

恋鳥

バキュン

昨夜は本当に眠かった。

もうウン十年睡眠薬を常用していて、一時期は断薬もしたけど、生活の質を考えたらやはり睡眠薬を使用した生活の方が高くなるから、毎晩決まった量の睡眠薬を使用している。

 

睡眠薬を飲まないとどんどん頭は痛くなって、身体は億劫になるのに、神経ばかり尖ってまったく眠れないのだ。

私が薬に頼らず「眠くて眠くて仕方ない」という状況にいたのは、学生時代までだと思う。

それ以降は、単純に夜間の睡眠が取れなくて昼夜逆転した形での「眠気」を感じることはあっても、滅多に自然な形で睡魔が訪れるという事がない。

 

とは言え、それは自覚の問題であって、私と同じ空間で生活する人にとっては「(投薬後に)眠たそうにしていて、眠い、眠いと言いながら寝たじゃない」なんて事があると思う。

でも、体質なのか長期間の投薬のせいなのか、入眠時健忘が激しく、私はある程度の時間までクリアな形で覚醒していて「気が付いたら寝ていた」目覚めると中途覚醒なら真夜中だし、しっかり眠れていても朝のアラームで目覚める。

……で、私には入眠時の記憶はないから「とにかく一日が始まってしまった」という感覚。

眠くて眠くてたまらなくて寝たという事実は、私の自覚としてはないんだよなぁ。

 

それが、昨夜はその「とても眠い自分」を久しぶりに覚えていて、そうだ……こんな感覚だったんだと懐かしい感覚に驚いた(驚きつつも睡魔に負けたんだけど)

 

――で、あまりに久々にそう感じた原因はなんだろう? と考えてしまうのが私で、6時半の起床から現在までうすらぼんやり考えていたんだけど、昨夜の私は忙しかったのだ。

 

忙しいと言っても普段の雑事の多忙っぷりに比べたら通常運転にちょっと毛がはえたようなもので、がっつりと肉体労働したとか、走り回ったとかではない。

 

旗当番があったから7時15分から横断歩道に立って、押しボタン押しては登校する小学生を見送った。

そこで少し立ち話をして帰宅。

洗濯機を回してのそのそとおにぎりを食べて、洗濯物を干し始めたところで実母到着。

継父の退院と施設への再入居があったので、実母に連れられて病院に出向き、また少し痴呆がすすんだ継父と話しながら、荷物をまとめて車に運ぶ。

施設は病院から車で15分~20分程度だからたいした距離でもなく、スタッフの方も親切でなんの問題もなくスムーズに移動。

 

診断書だの処方の説明は実母がメンドクセってタイプで丸投げするから私が聞いて、施設の方に伝えるとか……でも、この辺も通常運転(この手の手間なら倒れた直後や手術前の方が面倒だったし、説明を聞いたり伝えたりすることは苦ではない)

 

昨夜は眠れず睡眠不足でイライラするという実母を宥めて、今後の予定を聞いたり、不足していて買い足す必要のあるモノを買いに行く日取りを決めたり(明日にしようと言われたから今日なんだけど)水が必要だからと買いに出たり……も、まあ……いつも通りだよな。

 

暑くはなかったけど、湿度が高くて、雨が降りそうでイヤだな~くらいは思った。気圧は確かによろしくなかったと思う。

実母はイライラするといい、早番だった居候は夕方帰宅するなり頭が痛いと言って寝た。

私はと言えばここからはひたすら「なんだかな~」と思いながらじっとしてた。多分疲れていたんだとは思う。夕飯は居候ちゃんに任せたし、帰宅してやっぱり機嫌の悪いきっずの「宿題やりたくなーい」も想定内。

宿題イヤイヤに対して少しずつイライラしてきた私が「うるさい、とにかくやれ、やらなくちゃ終わらない」「やりたくないならするな、明日先生にやってきませんでしたって言って叱られなさい」と口調を強くしたところできっずも観念してノートに向かう。

基本的に楽しく面白く時々ずるく宿題をする事を許容しているから、怒鳴るでもなく、微笑むでもなく「やることをやれ」と淡々と言われる方がうちの子には効くらしい。

まあ、怒鳴ったりすれば「ごめんなさい」と言って泣くだろうし、泣けばこちらは言いすぎたかもと思ってしまうし、大声を出してもいい事はなにもない。泣かれると更に時間を食うだけだしな。

効率も悪い上に疲れるから、私にとっては「いっそ今日はできなかったと諦めろ」と言う方が簡単。

子供は私がそう言う時の諦めた感じが怖いらしく「宿題はやる、でも眠い、疲れた……ちゃんとするけどこれは嫌い」と一つ一つ文句をつける。どうせやるならちゃっちゃとやれば良いのに(もしくはやらなければいいのに)

嫌々ながらもやるというのが息子の正義らしく、僕は本当はやりたくないが頑張ってやっているのだと言う。

 

「褒めて欲しいな」とダイレクトに言う。

して欲しい事は言葉で言わないと判らないといつも私が言うからなんだろうけど笑

 

「どこまでやる? 全部はできないでしょ?(時間的にも集中力的にも)」と言えば「このページまではやる」と言う。

それでも半ページ分宿題としては足りていないのだけど、授業中上の空で別の事をしているグレーゾーンな息子にとっては大変な作業なんだろうって事は判る。

「ここまで終わったら褒めてっていうのはいいよ、でも終わる前に褒めて欲しいなって言われてもまだ褒めるところがないから、あと三行頑張って」と答えてじっと待つ。

きっずの集中力はもう限界だし、脳みそだって動かなくなってる事は判るけども……やってもらわねば褒められぬ。

後半は口調をいつものふざけた感じに戻して対応。

「その声が良いな」

「そういうふうなのが好き」

と、淡々とした口調が怖いと訴える笑

なら笑ってるうちにやらんかい!!!と思うけど、難しい事も判っとる。最後は良くできましたと褒めて抱っこしてハイタッチして寝る準備に向かうことになるけど、緩急つけるのは私の性格上結構キツイ。

 

で、昨夜は後半の方が精神的に疲れたせいだったのか、早番の居候ちゃんのアラームで目覚めて朝が早かったせいか、就寝前になったら「今日はもういいや」と、全部放り出すような感覚になってた。

 

居候ちゃんが「今日はワンドロだね」とか言うから、やらねば!!とか思ってざっくりイメージで初めて見るもこの辺りから急速な睡魔に襲われ始めた。

 

だって、ほんの少し前に「今日はもういいや」と本当に全部を諦めたんだよ。いつもは口で「本日のママは終了しました」とか「今日はもう何もしないぞ!!」と言いながらも、明日のスケジュールを思い出していたり、買い物リストを考えたり、今後の予定とか、やるべき事とかなにかしら頭にあって、寝る直前まで考えてし、粘ってる。

 

「まだ眠れない、やらなくちゃ、せめて組み立てなくちゃ」と思ってるうちに記憶が飛ぶんだけど(気が付くと朝のパターン)

昨夜はもっとずっと手前で一旦本当に全部を諦めたんだろうな。

 

今日は一日動いたし、やれる事はやったと思うし、もういい、よくやった、お疲れさんってくらい自分に対して甘かった。

本来その程度甘くあるべきなのかも知れないけど、私の眠気を感じられないこととか、眠剤で落ちても寝た感が足りないのは「やるべきことがまだあるのに、やれてない」という罪悪感とか、自分に対する落胆みたいなものがあるのかも。

 

もう少し動けたはず、もうちょっと頑張れたはずという、実際にはできない事をできると思い込んでる傲慢さというか……その不足感が、自分に睡眠をとることを許していないのかもしれない。

 

自然な睡魔の訪れを感じるすべての人に対して激しく嫉妬するのに、羨望するのに、実際のところ自分が自分のキャパを把握できていなくて、やれてないと思いあがってる事で睡魔を遠ざけているのかも?

 

可能性の話だから、すぐに忘れ去るだろうけど。

それにしてもアレだ。

 

眠くて眠くて前後不覚になるあの感覚は僅かな焦燥感を孕んでいてもやはり快感があるよなぁと思った。

睡魔とか睡眠欲とか……よく言ったもので、あれは確かに欲だし、それを満たそうとする瞬間、直前までの諸々のマイナスも含めて快楽であると思う。

 

だから、自然に眠れる人はもっと意識してその快楽を味わえばいいのにな……毎日勿体ないじゃん……なんて思うのは、やはりちょっとおかしなことなのかもと思ったりもしたなう←