イースIX -Monstrum NOX-

PSプラスエクストラに登録した時、エクストラカタログでRPGを探していたらイースシリーズを見つけ、大好きなテイルズシリーズと雰囲気がちょっと似ているんだなと思って、VIIIとIXを両方ダウンロードしました。一番評価の高いVIIIを先にプレイしていたけど、暗めな話やパーティが敵扱いされる設定が好みなので、個人的にIXの方が好きでした。

ネタバレは多少ありますので、完全に避けたい方はご遠慮ください。

 

  シナリオ

シナリオが中々面白かったです。王道な英雄ストーリーと違って、追われている脱獄人の主人公であるアドル・クリスティンとその仲間たち(怪人)の話で、FF13、テイルズオブヴェスペリアとベルセリアと似たような悪役扱いの設定です。追われている身のアドルなんですが、火のような赤髪のままでどこへ行っても流石にバレてしまうので、捕まらないように黒く染めていた。赤の王になったらまた赤に戻るけど、ずっと赤毛だったので黒髪のアドルを見るとちょっと慣れないかな。

 

ストーリーは章に分けていて、各章がキャラ一人についての話で、そのキャラがその章からパーティに加入してくれます。そのせいで全員揃いまではかなり遅くなるけど、パーティキャラの素性や過去の話がしっかり描かれているのでそれはそれ良かったと思います。サイドクエストでキャラについて色々な情報や過去の事情をより深く知る事ができる他に好感度も上げられます。冒険日記、報酬アイテム、NOXポイントやトロコンのためにも必要なので多くのリクエストをできる限りクリアするのを目指しましょう。

 

  探索要素

舞台が監獄都市バルドゥークという都市。島が舞台であるVIIIよりも探索の幅は狭くなっているけど、異能を使ってビルを駆け上がったり空に飛んだりする事ができるので、この立体感のある探索範囲が割と新鮮で楽しかった。バルドゥークの外には草原やダンジョンもあるけど、VIIIよりマップが小さくて一本道って感じでした。様々なところが壁でロックされていて、「グリムワルドの夜」という前作の迎撃戦のようなミッションをクリアしないと、次のエリアに進められません。リクエストや戦闘でNOXポイントを100まで貯めれば、新たな「クリムワルドの夜」を挑戦できるようになり、クリアすればロックされたエリアが解除されます。

 

NOXポイントを貯めるにはリクエストをクリアするのが一番早くてトロフィーのためにも必要なので、リクエストを積極的にクリアするのがお勧めです。リクエストから報酬ももらえるし、キャラとのイベントも見られます。ラルヴァ(敵)との戦闘からもポイントをもらえるけど、あまりにも少ないのでそれだけだと効率が良くないかな。

 

気になった点

過去作のネタが他の作品よりも多かったような気がします。過去作をプレイしなくても十分楽しめると思うけど、アドルの過去の冒険、行っていた場所、出会っていた人たち、なぜ毎回武器を無くすことなどのネタが出てくるので、過去作をプレイした方の方が楽しめるんじゃないかな。特にイースセルセタの樹海、VIIとVIIIのネタが一番多かったけど、せめてVIIIだけでもプレイした方がいいかと。

 

もう一つの欠点なんだけど、新しいエリアやストーリーを進めるためにNOXポイントを貯めたりグリムワルドの夜をやったりするのがちょっと面倒でしたね。任意だけだったらいいけど。

 

ちなみに、イースセルセタの樹海とVIIIのセーブデータがあれば、特典のアクセサリーを貰えます。両方も現時点でエクストラカタログに入っているので、もし興味があればぜひチェックして見てきださい。

 

  戦闘

爽快感のあるスピーディーなアクションバトルで前作よりコンボしやすくなった印象。格キャラにはスキルを四つまで設定して、スキルポイントを消費することで使用できます。スキルポイントは通常攻撃をするだけで貯めていくので、コンボを繋げるのがかなり楽。攻撃を当てていくと「ブーストゲージ」が溜まり、半分以上になったらブーストモードを発動させる事ができます。このモードでは攻撃回数が増加し、防御力と攻撃力も上昇するので、より有効に戦えます。それに、ブーストモードでは強力な必殺技(エクストラスキル)も出せるようになります。ブーストゲージは攻撃しないと減っていくので、前作のようにボス戦のために溜め込むことができないけど、ブースト発動回数100回とエクストラスキル発動回数100というトロフィーがあるので、忘れずにどんどん使って行きましょう!

 

難易度はVIIIより簡単でした。VIIIをプレイしていた時にナイトメアで苦戦したことはあったんだけど、本作では白猫でラスボスまでゴリ押しができました。赤の王のアビスブレードでも雑魚を一掃できるぐらい凄く強い。

 

迎撃戦・撃退戦は「グリムワルドの夜」というなんだけど、概念はVIIIと同じです。スフェン(柱)を守りながら敵のラルヴァと戦うタイプと時間内に石を壊すかボスを倒すかのタイプ、二つの種類があります。VIIIよりはるかに簡単で誰でもSランクを取れるはず。私は適当にやっていただけなのに、ナイトメアでも全部をSランクでクリアできました。Sランク以外ないぐらい非常に簡単なので、適当にやっても大丈夫でしょう。全てのグリムワルドの夜でSランクを取ったというトロフィーもあります。

 

  キャラクター

今回のアドルの赤の王の姿がカッコよくて、他のパーティメンバーもかなり個性的で面白かった!特に鷹と人形が人離れした性格で、白猫ちゃんも可愛い外見の割に凄く強かったです。それに、好きな声優さんである梶裕貴さんと石川界人さんが出演していることもとても嬉しかったです。トロフィーのために全員を5時間ぐらい操作し、全てのスキルレベルをMAXにしなければないので、操作キャラと設定したスキルを頻繁に変えていくのをおすすめします。本から習得するスキル以外は、パーティにいないと習得しないので、全員を交代するようにしましょう。例えば、人形にはレベル72まで上げないと習得できないスキルはあります。習得するためにレベル72以上まで上げて、戦闘で何らかのスキルを使用しないと習得しません。

 

 

赤の王

本当にアドルなのかと思えるぐらい顔面スペックが上がって、イケメンキャラになりましたね(笑)。主人公だけあって一番操作しやすくて基礎ステータスのバランスが一番良いので、万能なキャラです。異能は瞬殺移動(クリムゾンライン)。

 

スキルに関しては、アビスブレードは雑魚集団を一掃できるので非常に便利で一番よく使っていたスキルでした。カーディナルブラストはかなり強くて一撃にダメージが多い反面動作が遅いので、主にボス戦や動きが遅くて固い敵に使っていました。ヴァーミリオンサイズとカラミティコンボもたまに使っていたかな。

 

 

白猫

可愛い女の子のキャラでか弱そうな子供に見えるけど、ボスをナイトメアでもゴリ押しできるぐらい最強キャラですよ!可愛い見た目と力の強さのキャップが新鮮で凄く好きでした。異能は猫みたいに壁を駆け上がる「ヘブンズラン ~天空散歩~」という能力で探索には中々便利。それに序盤に加入してくれるので、非常に有能なキャラだと思います。

 

スキルについてなんですが、ボス戦ではケルベリアンバーストだけでゴリ押しできました。シューティングスターとレグルスインパクトもグリムワルドの夜や雑魚に対して使っていました。

 

 

人形

動いてきる人形って感じで異能を使っている時以外に目を開けない、不思議ちゃんのタイプ。常に冷静で感情は表さない、可憐なドールのようなキャラなんだけど、ストーリーを進んでいけば感情をちょっとずつ感じられるようになります。操作は赤も王と似ているスピーディーで扱いやすい、接近攻撃重視のキャラです。異能は「ザ・サードアイ ~第三の瞳~」言わば透視みたいなものです。スキルは幻奏乱、コッペリオンオーダー、オニキスリッパーと円舞刃をよく使っていたんで、白猫のように動きが早いので、時間制限のあるグリムワルドの夜には役に立ちました。

 

 

猛牛

今作の巨乳キャラが猛牛さんですね。お姉さんタイプでみんなのお世話役。力に任せるタイプなので、動作は非常に遅いけど、一撃がかなり強いので雑魚を一殺するのに適しているキャラ。個人的に苦手なキャラだったのでトロフィーのためだけに操作していたんですが、鷹との辛辣な掛け合いが面白かったです。異能は「ヴァルキリーハンマー ~戦乙女の救済~」という、岸壁などを破壊する能力で、敵のガードも崩す事ができます。よく使っていたスキルはドレッドブレイカー、グランドスラムとマキシマムレイド。

 

 

一番好きなキャラは鷹でした。こういう不良でやばい感じのキャラが好みなのでよく操作していたけど、攻撃は当てにくいので慣れるまでちょっと苦労しましたね。彼の非協力的な行動、口の悪さや最悪な態度が凄く面白くて、なぜそんな風になったのか明らかになるので、彼が登場する章が中々楽しかったです!異能は「ハンターグライド ~猛禽の翼~」という飛行能力。テンペストレインが一番よく使っていたスキル。多くの敵に当てられるので、クリムワルドの夜では便利です。デッドリーラッシュとカルネージランサーもよく使っていました。

 

 

背教者

素性が一番意外なキャラでした。声優さんである下野紘が石川界人さんと梶裕貴さんと同じように好きな乙女ゲームによく出演するので、声が好きでした。ちょっと可哀想なキャラだなと思っていたけど、多少毒舌で冒険家アドルへの憧れが可愛かったです。息子さんって感じだったかな。

 

戦闘スタイルに関しては、遠距離キャラなのでアクションや接近攻撃が苦手な方には良さそうだけど、個人的にこういうタイプを操作するのをつまらなく感じるので、トロフィーを取る事以外に使わなかったんです。基礎ステータスはどれも平凡だし、扱いに困ったキャラでしたね。異能は影のように地面に潜伏して移動する「シャドウダイヴ ~影の門~」。クセの強いキャラでスキルをレベルMAXするためだけに使っていたので、よく使っていたスキルと言えばあまりなかったかな。強いて言えば、ダークインフェルノとかオービタルソウルぐらい。

 

 

キャラの好きな順:鷹>赤の王>白猫>人形>背教者>猛牛

好きなキャラの操作の順:赤の王=白猫>鷹>人形>猛牛>背教者

 

アプリリスはパーティキャラではないけど、シナリオ的には重要人物として頻繁に出てきます。話し方は硬くて軍人さんのようで、全体的に不思議な存在です。最初は敵っぽいキャラだったせいか、鷹がアプリリスに対して暴言ばかり吐いていたけど、彼女の過去を知れば知るほど同情したくなるぐらい哀れな存在だなと思いました。それに、怪人たちに色々な助言を教えたり、助けたりするので、中々気に入ったキャラです。

 

 

  グラフィックと音楽

グラフィックは悪くなかったです。結構前に発売されたPS4の作品なので現代の作品に比べたら多少劣るだろうけど、アニメ風の作品にしては良かったし、キャラのデザインも好きでした。

 

音楽は普通に良かったけど、オープニングがないという事はRPGにしてはかなり意外でした。FFやペルソナのように印象に残ったサウンドトラックだったとは言えないけど、ゲームの設定と雰囲気に良く合っていたと思います。

 

  トロフィー

58時間ぐらいでトロコンできたので、85時間かかったイースVIIIより結構短くて簡単でした。取り逃がし注意のトロフィーはリクエストを全てクリアすることと、キャラ全員のイベントを全て見て冒険日記の「人物」を100%達成することだけ。リクエストは掲示板とマップでマークされているので、見つけやすい。それに、前作のようにアイテムと装備品コンプリートや採取ポイントを全て発見することなどのトロフィーがないので、探索系のトロフィーはかなり楽になりました。世界も前作より狭いので青い花びら、ロケーションポイント、宝箱、マップや落書きを100%達成するのは難しくはないんです。地図からコンプ率を確認できます。

 

牢獄パートの宝箱はカウントされないのでスルーしても大丈夫。微妙なアイテムばかりなので、無理して開ける必要はないと思います(取りにくい宝箱はあるので)。

 

難易度ナイトメアでクリアというトロフィーに関しては、VIIIより結構簡単だった印象。VIIIではラスボス戦では苦戦した覚えはあるけど、本作ではアイテムを滅多に使わず全てのボスを楽に倒せました。白猫に強化アイテムを全て使えば楽だし、赤の王でもいけると思います。

 

 

  総評

全体的にすごく楽しくて、私の2023年のゲーム・オブ・ザ・イヤーになりました。個性的なキャラクター、暗いシナリオ、脱獄人の設定、高速なアクションバトルや立体感のある探索が非常に良かったです。トロフィーにも面倒なものはなくて嬉しいポイントでした。

 

欠点と言えば、一つ目は探索の狭さです。立体感や異能があっても、どうしても狭く感じていたところが多かった。世界が広いVIIIを先にプレイしていたので、IXの世界は余計に小さく見えたかもしれません。フィールドやダンジョンをもう少し広くしてくれたら良かったと思います。

 

二つ目はオープニングとCGギャラリーがないんです。これはちょっと残念だったけど、ゲーム自体のは影響がないので別にいいかな。あれば良かったけど、必須ではないかもしれないね。

 

全体的にイースシリーズの中には良作だったと思うので、VIIIと合わせて是非プレイしてみてください!

 

 

総合評価:5星

ストーリー:4.5星

キャラクター:5星

世界観:4星

戦闘:5星

グラフィック:4星

音楽:3星

難易度:2星

トロコンまでの時間:58時間