ゆりが僕に
「ところでお名前は?」
「えっ?」
一方的に僕が質問ばかりしていたのに気付いた。
「ごめんなさい。ひろて言います」
すると、ゆりが
「Twitterのプロフィールにも名前が無かったから...」
Twitterの自分のプロフィールを見ると
意味不明な顔文字にしてたのを忘れていた。
再度ゆりに
「僕の名前がヒロだから、名前を教えておきますよ。」
ゆりの方から
「うんっ 」 と可愛らしい絵文字付きで返信が来た。
「私もひろさんに本当の名前教えますね」
「私は ななこ て言う名前です。本当は...」
返され返信に
「本当の名前教えてくれるんですか?」
「ありがとうございます...」
ぎこちない返信と下手な敬語を交えながら堅い返信を繰り返してる。
「だって、ひろさんて本当の名前なんでしょう?」
「だから私も本当の名前教えたんですよ」
なんとなく僕だけが特別な存在になった
気分になった。
その反面、他の人にも教えてるんじゃないかと知り合って間もない、ゆりに対し
複雑な気分になった。
「でも、フォロワーがスゴく増えてるけど?」
「色んな男性から連絡来てるんじゃないの?」
なんとなく僕の心の現れなのか?
ヤキモチめいた文章を送ってた。
「うん~...」
「確かに色んな人から連絡来てるけど」
「今は、ひろさんとやり取りしてるし」
「連絡も見てないし返信もしてないから...」
確かに今は僕とやり取りを繰り返してる。
でもTwitterのアイコン画像を見る限り
可愛いし彼氏がいない訳がない。
面食いなのか?それとも男性に求める理想が高いのか?
僕以外にも沢山の男性から連絡が来てるのも、ゆりから現実として聞かされてる。
1人頭の中でぐるぐると考えて勝手に嫉妬心まで抱いてしまってる。
ただ僕の中の答えとして、イケメンでもなければ自慢できるエリートでもない。
極めつけは年齢差もある。
何を期待し何を求めてるんだと思った。
すると、ゆりの方から
「私の事、画像の本人と違うと思ってるでしょう?」
「私の違う画像見ます?」
「送りましょうか?」
違う画像を見てみたい気持ちと本当に本人なのか?も確かめたい。
それを確かめて何になるのか?
そう思いながら
「違うゆりさんの画像見たいです。」
すると、ゆりの方から画像が数枚送られてきた。
画像を見てると
「1枚の画像は左側に写てるのが姉で
右側が私です。前は髪型が長かったんですよ」
「2枚目は高校生の時の写真なんですけど、どこに私がいるか、わかります?」
「3枚目は最近の画像だからTwitterの画像と一緒でしょう?」
画像の後にゆりから丁寧に説明が送られてきた。
確かに雰囲気は違うにしても、ゆり本人が画像に写ってる。
やっぱりどれを見ても可愛らしい画像ばかり。
見た画像を何度も何度も見てると
ゆりの方から
「ひろさんも見てみたい」
「良ければ私にも、ひろさんの画像下さい」
この連絡に対し、自信もなければ年齢も離れてる送れる画像もなければ自撮りもしない。
そもそも送れる画像、自慢の1枚なんて物は僕には存在しない。
「僕は自撮りもさないし写真も持ってないです。」
「少し待ってもらえます?」
ゆりから
「は~い。待ってます」
何か送れる画像は無いかと
写真フォルダーを見ながら探してると
何かの時に撮影した画像が見つかった。
これでも送るか...
「こんな画像しかなくて、ごめんなさい。」
「自撮りをする年齢でもないし写真自体あまり好きじゃないので...」
言い訳染みた文面を、ゆりに送ると早速ゆりの方から返信が来た。
「雰囲気好きだしカッコイイですよ」
ゆりの返信を見た瞬間、お世辞にも程がある。
年齢の離れたオジサンにカッコいいとは...
職場の女の子であれば社交辞令的とも受け取れるが、ゆりの返信に素直に喜べる訳もなく反対に喜んでたら正直気持ち悪い。
「ありがとうございます」
この一言のみ、ゆりに返信した。
「本当に私は雰囲気好きだし画像保存してても良いですか?」
「えっ!?僕の画像保存する価値も何もないですよ。保存するような画像でも無いですし...」
「もう保存しました。」
「ありがとうございます」との
ゆりからの返信。
そんなやり取りを何度繰り返したか?
知らない内に時間を見ると
長い時間、ゆりとやり取りをしてた。
「もし良ければ僕と友達になって下さい」
「ゆりさんの時間がある際に連絡してもらえたら良いので」
すると、ゆりの方から
「わかりました。こちらこそ宜しくお願いします」との返信が来た。
ゆりとのやり取りを終え
ゆりから、送られた画像を見ていると
ゆりの方から連絡が来た。
「ひろさん。私も鍵アカウントにしたしフォロワーもひろさんだけしといたから」
ゆりのTwitterを見てみると確かに僕だけフォローされフォローされないと見れない鍵アカウントになってた。
僕の場合ただ単にフォローされてないからフォローもしてないだけで何か理由があってフォロワー0にフォロー0にしてた訳ではない。
僕が周りから興味を持たれてないだけ。
ゆりからフォローされた1と言う数字。
「ありがとうございます。僕もフォローしました。」
「でも他にも良い人から連絡来てたでしょう?」
「確かに来てましたけどね...」
「でも変なメールばかりだから、これで良いんです」
何か不思議な気持ちと嬉しさとが入り交じる。