●まさに人生のイベントにまつわる、4篇のおはなし。
4篇ともに、ぐっと掴まれてしまうのですが、
2篇は私にもちょっとばかり重なる内容で、マジメに読んでしまいました。
- 冠・婚・葬・祭/中島 京子
- ¥1,680
- Amazon.co.jp 表紙が白いので…本のワクがみえませんね。。
- 上から、冠・婚・葬・祭にあたるお話です。4篇のタイトルは…
- ・空に、ディアボロを高く
- ・この方と、この方
- ・葬式ドライブ
- ・最後のお盆
最初の2篇は、ドキドキしながら読みました。
●「空に~」は、地方の新聞記者・スガオが取材不足のウソ記事を書いてしまったことで
誹謗中傷をあび、退職に追い込まれてしまうストーリー。
見方によっては辞表だせという空気になるほどキツイのか?といえる出来事です。
文章を書く事って、事実との戦いだから。その辺にどきっとしました。
でもそれをいいたい話じゃなくて!
人とのつながりなのかな。それから、スガオが辞表をだしてからの目線。
事件を追っていた目線がなくなって、
人のあったかさとか、人情とか、街の様子が見えるようになっていく。
その辺がよみどころです。きっと。
- ●「この方と~」はお見合い話。お見合いね~したことありますよ、私。。
- このストーリーでは、お見合いおばさん・マサ枝が、お話をまとめようと奮闘します。
ただし。ひきあわせた男女ふたりは、いろいろともんだいがありまして…。
・男性は啓一。40歳すぎ。離婚歴あり。一歩前にでられない性格。妹が動いて、デートコースもバッチリ決める。
・女性は智子。37歳。どうしても結婚したい。でもそれは、結婚資金もだいぶたまったから。
とりあえず、進み始めた二人。婚約もした。お見合いおばさんも、一安心。
ところが…式の話になると、智子が一歩もひかない。立派な式を挙げたい。友人を呼びたい。
いままで、さんざん見せつけられて「次は貴方よ」と言われ続けてきたから。
…さて、かみあわず。紆余曲折です。
お見合いおばさんもどっぷりとまきこまれ、けがをして入院までしてしまう。
設定はかなり面白くしているのだと思うのですが、
お見合いおばさんの言うこと、婚約したふたりがいま一歩、歩み寄れない状況、きもちなど、
なるほどとおもったりしました。最後は、ちょっとハッピー?の予感あり。
見合い結婚であろうと、恋愛結婚であろうと
結婚は現実…。人と、人ですもの。面倒みあっていくんですものね。
あとの2篇もほろっとさせられました。
●「葬式ドライブ」は、なくなったおばあちゃんのお別れ会のお話。
ぼけてしまっていた、おばあちゃんの人柄がよみどころかな。
●「最後のお盆」では、とりこわす前の実家に家族みんながつどってくる話。なくなった人もね。
どの話も、タイトルを見たときには想像もつかなかったストーリー展開。
引き込まれて一気読みでした♪